️球界(現)最年長監督・岡田彰布さん率いる阪神タイガースの躍進が日本に及ぼす好影響

コラム

 

5月24日の「ヤクルト×阪神」戦(神宮球場)──阪神が九回2死からまさかの逆転勝ちで4連勝! 佐藤(輝)の2点二塁打で試合をひっくり返した直後、ベンチから思わず飛び出してしまった岡田彰布監督の姿がツイッターで話題になっていた。

 

両手を広げて大喜びする岡田監督を「グリコポーズ」「やっぱりグリコやん」と、大阪・道頓堀にある「グリコサイン」と重ね合わせるファンも。「老かいな知将」というイメージで、第一次阪神監督時代は決して選手と一緒にはしゃいだりはしなかった指揮官が感情を爆発させたことで、

 

「こんな喜ぶ人やったっけ?」


「こういうキャラだったっけ?」


「岡田監督がベンチを飛び出して喜ぶなんて」

 

……など、驚きのつぶやきも、ネット上に多く寄せられた。

 

その後も、ジャイアンツを3タテでくだし、怒涛の8連勝! セ・リーグ首位チームとして貯金17で「セ・パ交流戦」へと臨むことになった。(※5月30日正午時点)

 

さて。我が愛する阪神タイガースの快進撃に、つい頬も緩み、私が “第二の書斎” としている『喫茶室ルノアール』の、ベイスターズファンである店長さんからは毎度嫌味をこぼされるのも致し方ないのだけれど(笑)、今年から “劇的な変貌を遂げた” タイガースの姿に、少なからずの “勇気” を与えられている野球ファンは、とくに “虎党” ではなくとも……案外多いのではなかろうか。

 

岡田監督は現在65歳──ジャイアンツの原辰徳監督(現64歳)をも飛び越えた12球団中の(現役)最年長監督である。つまり、このたびの(二度目の)起用は、監督やコーチも “若返り” を求める傾向にあるNPB……いや、日本社会全体の潮流に逆行した “大抜擢” であったのだ。

 

そんな「時代遅れ」との声をものともせず「老かいな知将」が 、“若い監督” たちが実直に打ってくる一手一手を詰め将棋のごとく先読みし、撃破のタクトを振るうさまは……我々中高年世代からすると痛快そのもので、「ああ……まだ、自分たちも頑張れば、岡田サンのように活躍のステージを見つけられるのかもしれない」と、ささやかな “自信” にもつながっていく……。

 

もちろん、我々側だって岡田監督と同様、アップデートを常に怠ってはいけない。若い世代と真の信頼関係を築き……ときには「グリコポーズ」(じゃなくてもいいのだが笑)でオジサンの “可愛さ” をアピールしつつ若い世代特有の “考え方” や、 最新のツールを真摯かつ素直に学ぶ姿勢は不可欠である。そして、そういった謙虚な意識を持った中高年世代が増えることによって若い世代との垣根が消え、日本人すべてが違う世代と学び合い、助け合いながら共存できる世の中になればいいな……と、私は心底から願っている。

 

……ってなわけで、ここcitrusに寄稿するワタクシ山田ゴメスのコラムは今日で最後であります。citrusの前身である『All About News Dig』からも含め、約10年間──毎平日、私の独善的な主張を広い心で発表する場を与えてくれたcitrusさんにはとても感謝している。

 

明日からは『日刊SPA!』に移籍し、多少スタイルを変えて、より「アップデート」された “ゴメスの考え” を発信していくつもりなので、これからも変わらぬご愛読のほどを、何卒よろしくお願い申し上げます。

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