竹内涼真に「なんか寂しい…」と言わしめるカホコ。「でも本当の高畑充希は、カホコとは逆にクールなんだけどね(笑)」

コラム

citrus 編集部

 

8月9日放送の第5話で過去最高視聴率12.1%を出し、「カホコ」と「初(はじめ)」との恋の行方に注目が集まる『過保護のカホコ』(日本テレビ系、毎週水曜22:00~)。カホコこと加穂子役を演じ、民放ドラマで初主演するのは、高畑充希。娘のカホコを溺愛する母・泉を黒木瞳、娘に嫌われるのが怖い“娘依存症”の父・正高を時任三郎が演じている。前回は、温室育ちのカホコに唯一辛らつな言葉をぶつける画家志望の大学生・麦野初を演じる竹内涼真と、同作の脚本を手掛けるヒットメーカー・遊川和彦が、自身の家庭環境とともに初のキャラクターや現場の様子を語った。今回は、作品に込めた思い、そしてオタマジャクシからカエルになろうとするカホコを中心とした、気になる今後の展開を聞かせてくれた。

 

遊川和彦:脚本家。1955年10月24日生まれ、東京都出身。1987年、ドラマ『家庭の問題』(TBS系)で脚本家デビュー。ドラマ『女王の教室』(日本テレビ系)で「第24回向田邦子賞」を受賞。以後、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)、連続テレビ小説『純と愛』(NHK)、『〇〇妻』(日本テレビ系)など、メッセージ性の強い作品を次々と発表している。

 

竹内涼真:1993年4月26日生まれ、東京都出身。185cm。血液型A型。趣味&特技はサッカー、歌。2014年、『仮面ライダードライブ』の主演に抜てき。主な出演作にドラマ『下町ロケット』(TBS系)、『時をかける少女』(日本テレビ系)など。2017年、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』に出演。ヒロインの初恋相手・島谷純一郎を演じる。今作では、カホコの成長を後押しする大学生・麦野初を演じる。

 


前編>>4人兄弟の遊川和彦、3人兄弟の竹内涼真が想像する“一人っ子のカホコ”。「本当はうらやましいんだよね、愛されてる人が…」

 

~日テレドラマ『過保護のカホコ』 連動企画~

脚本家・遊川和彦×俳優・竹内涼真 スペシャル対談(後編)

 

■竹内涼真が「人には絶対言わない」こと

 

 

──竹内さんはJリーグの古豪・東京ヴェルディの下部組織の出身。原因不明の病気により音楽の夢をあきらめたカホコの従妹・糸(久保田紗友)に共感する部分が多いんじゃないかと想像しますが、いかがでしょう?

 

竹内:いや~、あんなにひねくれてはなかったです。僕もケガでサッカーをあきらめはしましたが、小さいころから支えてくれた両親に感謝していましたし、全力でやってきたから心残りもなかったです。

 

遊川:なんだそりゃ~。お前の闇をもっと見せろよ~!(笑)。

 

竹内:いや、闇がないんですよ、本当に! 挫折はありましたが、それも含めて前向きに捉えてやっていこうと思ってきたので。

 

遊川:マジか~。とことん、さわやかだな。

 

竹内:(笑) 僕も本気でプロの選手を目指していましたから、糸ちゃんのように自暴自棄になる気持ちはよーくわかるんですけど、気持ちの抑制が利く方なので我慢できるんですよ。仮に糸ちゃんみたいなことを思ってても(編注:事あるごとに集まる親戚たちを内心で鬱陶しく思い、とりわけ能天気なカホコのことを嫌っていると吐露した)、人には絶対に言わないと思いますし。

 

遊川:性格的に強いってこと?

 

竹内:と、思いますね。

 

遊川:あれ? 打たれ弱いと聞いてたんだけど(笑)。

 

竹内:言われた瞬間は、考えますよ。でも落ち込みはしないです。「どうすれば上手くいくか?」考える方が前向きでいいですから。

 

 

遊川:くー! そりゃあ母性本能をくすぐるわ~。

 

竹内:逆に苦言でもアドバイスでも言ってもらわないと不安になります。「本当に大丈夫かな?」って。

 

 

■竹内涼真「(カホコに)これ以上、成長しないでくれ~と思った」

 

 

──糸をはじめ、これまで家族に言いたいことを我慢してきた人たちが、回を追うごとに本音を爆発させ、ドラマを盛り上げていますね。

 

遊川:まず糸がブチ切れ、カホコも初とのことをとやかく言われキレて。ついにはお父さん(正高)が不満を爆発させて、お母さん(泉)まで……。でも怒りは、愛の裏返しですから。過保護なカホコにしても、他人なんだから放っておけばいいじゃないですか? そこで真剣に怒るのは、初が人間に対する愛をしっかり持っているからで。そこは意識して演じてくれと、竹内くんにはうるさいくらい言っているんですけど(笑)。

 

竹内:そうですね。言われています。

 

遊川:要は「真剣に向き合おうよ」ってことなんです。カホコも他者と自分と向き合ってる。打たれることでわかることもあるし、初という真逆の人間と出会ったことで、逆にお互いに共通点があるってわかることも。それが運命の出会いっていうこととイコールだと思うんですけど。

 

──竹内さんは、カホコのような女性をどう思いますか?

 

竹内:最初に台本を読んだ時は「なんだ、この子は!?」って思ってたんですけど、最近は大人になりつつあるので、なんか寂しいんですよ。子離れできない親の気持ちじゃないですけど、これ以上、成長しないでくれ~と思ったり(笑)。

 

遊川:自分で(台本を)書いてて何だけど、カホコを見てると切なくもなるよね、真っすぐすぎて。

 

竹内:そうですよね。それは(高畑)充希さんのお芝居あってのもので。カホコの生まれ持ったものもあるとは思うのですが、懸命な姿を見ていると胸が苦しくなってきて。だから自然と何かしてあげたくなってくるんです。

 

遊川:本当の高畑充希は、カホコとは逆にクールな人なんだけど。俺より大人だし(笑)。

 

竹内:さっぱりしてますもんね。

 

遊川:でも、カホコの真っすぐさと予測不可能な面白さを表現できるのは彼女しかいないと改めて。5話まで見続けてくれたみなさんは、もう目が離せないと思いますよ。

 

竹内:僕の父親が、見て泣いてましたもん。1話のティッシュ配りのシーンから(笑)。「これからどれだけ泣くんだ!」って。

 

 

■遊川和彦が明言! カホコにも今後「ヒドいこと」が起きる?

 

 

──今後の展開が気になりますが、少しヒントをいただけますか?

 

遊川:「遊川だから、これからヒドい展開になるだろう」と思われている方もいらっしゃるかと思いますが……まぁ実際、カホコにもヒドいことは起きるんだけど(笑)、だんだん人間が変わっていく。落ち込むこともあるだろうけど、その様をお見せするのがドラマだと思いますので、楽しみにしていただきたいですね。

 

竹内:毎回、とにかく起伏が激しいですよね。お話しかり、キャラクターもしかり。

 

遊川:ただそういうヒドい経験、ツラい経験をしたからこそ、最終的にカホコは自分の生き方とかを見つめ、周囲に感謝していくようになるし。両親や初をはじめとする周りも、そんなカホコに癒やされるからこそ、彼女がそのままでいられる世界を守りたいと願うという。

 

竹内:最初は家族を否定してきた初だって、カホコの影響で考えが変わっていく。

 

遊川:人ってこうやって変わるんだ。こうやって愛を確かめるんだ。そんなコミュニケーションの話と言いますか。家族でさえ、わからないことってあるじゃないですか? 自分自身、先日この歳になって姉から言われて初めて知ったこともありましたしね。逆に、今でも家族に言えないことがあるし。それは相手を慮って……とかいろんな理由があるんだけど、ドラマだから全部、言っちゃう。登場人物が吐き出しちゃう(笑)。俺はやっぱり、人間の悩み苦しみ、迷い、一生懸命生きること。そういうのを描くことが好きだから。

 

竹内:ずいぶん会話できるようになってきたカホコの成長は個人的に多少、寂しくもありますが……(笑)。

 

遊川:ふたりでいることの心地よさ、わかり合ってきた関係性が最近よく出てるよね。でも、わかり合ってきたからこそのケンカとかもあるだろうし。もう一回、お互いに見つめ直すこともあるだろし。人間って、簡単にくっつくけど、くっついたらくっついたで必ず後から何か起こりますから。また、そういう「初めて」の繰り返しが面白いんだけど。

 

──カホコの人生を変えていく今作のキーパーソン・初の名前は、やはりそこから?

 

遊川:そうですね。カホコに初めてのことを、いろいろと教えてくれる人という意味で。

 

──では、最後に読者へのメッセージをお願いします。

 

遊川:こういう時代ですから、何を大切に、どう生きていけばいいのか? 不安な人も多いんでしょうけど、でもその中で、本当の意味で家族を大切に守る思いがあれば、不安とか孤独に負けず生きていけるんじゃないかと。そういうことをカホコの素直で真っすぐな生き方を通じて、なんとな~くでも感じてもらえたらいいかなと思います。

 

──第1話の「初との出会いが、今まで眠っていたカホコの“本当の力”を目覚めさせ……」などなど、気になるセリフや伏線もたくさんあります。

 

 

遊川:情報量が多いのでもう一回、見ても面白いドラマだと思いますし、そうした伏線もたくさん。結末にしても意外な展開が訪れるとは思いますが、今回はカホコと初が死んだりするようなことはありませんので、どうぞ楽~な気持ちでご覧ください(笑)。

 

竹内:支える、支えられる。そんなカホコと初の関係が逆転するかも知れませんし、カホコがオタマジャクシからカエルになり、それ以上の何かになるかも知れない。ともあれ、こんな感じで現場は最高の雰囲気でやっていますので、最終回の10話まで1話たりともお見逃しないよう、応援よろしくお願いいたします!

 

前編>>4人兄弟の遊川和彦、3人兄弟の竹内涼真が想像する“一人っ子のカホコ”。「本当はうらやましいんだよね、愛されてる人が…」

 

 


竹内涼真写真集『1㎜』

竹内涼真写真集『1㎜』(集英社、撮影/立松尚積)

 

発売日/7月22日(土)
定価/本体2200円+税 
版型/B5判 96P ソフトカバー
撮影/立松尚積
発売元/集英社刊


日テレ水曜ドラマ

『過保護のカホコ」

脚本 遊川和彦
音楽 平井真美子
チーフプロデューサー 西憲彦
プロデューサー 大平太ほか
演出 南雲聖一ほか
出演 高畑充希、黒木瞳、竹内涼真、佐藤二朗ほか
制作協力 5年D組
製作著作 日本テレビ

HP:http://www.ntv.co.jp/kahogo-kahoko/

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