4人兄弟の遊川和彦、3人兄弟の竹内涼真が想像する“一人っ子のカホコ”。「本当はうらやましいんだよね、愛されてる人が…」

エンタメ

citrus 編集部

 

「史上最強の箱入り娘」根本加穂子の愛らしいセリフや仕草が話題のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系、毎週水曜22:00~)。カホコこと加穂子役を演じ、民放ドラマで初主演するのは、高畑充希。娘のカホコを溺愛する母・泉を黒木瞳、娘に嫌われるのが怖い“娘依存症”の父・正高を時任三郎が演じている。また、温室育ちのカホコに唯一辛らつな言葉をぶつける、画家志望の大学生・麦野初(はじめ)を竹内涼真が演じ、そのイケメンぶりはSNSで大きな盛り上がりを見せている。同作の脚本を手掛けるのは『女王の教室』や『家政婦のミタ』など数々の話題作を放ってきた、ヒットメーカー・遊川和彦。遊川が「自身を投影した」という初のキャラクターや現場の様子、現代の“過保護問題”を描くことになった経緯や作品に込めた思いを、インタビューでははじめて顔を合わせるふたりに聞いた。

 

遊川和彦(写真右):脚本家。1955年10月24日生まれ、東京都出身。1987年、ドラマ『家庭の問題』(TBS系)で脚本家デビュー。ドラマ『女王の教室』(日本テレビ系)で「第24回向田邦子賞」を受賞。以後、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)、連続テレビ小説『純と愛』(NHK)、『〇〇妻』(日本テレビ系)など、メッセージ性の強い作品を次々と発表している。

 

竹内涼真(写真左):1993年4月26日生まれ、東京都出身。185cm。血液型A型。趣味&特技はサッカー、歌。2014年、『仮面ライダードライブ』の主演に抜てき。主な出演作にドラマ『下町ロケット』(TBS系)、『時をかける少女』(日本テレビ系)など。2017年、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』に出演。ヒロインの初恋相手・島谷純一郎を演じる。今作では、カホコの成長を後押しする大学生・麦野初を演じる。

 


~日テレドラマ『過保護のカホコ』 連動企画~

脚本家・遊川和彦×俳優・竹内涼真 スペシャル対談(前編)

 

■竹内涼真は「過保護」に育った…?

 

 

──苦しい不妊治療の末にようやく授かった一人娘であるがゆえ、両親から溺愛されてきたカホコが主人公の『過保護のカホコ』。おふたりともカホコと違い兄弟が多いそうですが、どんなふうに育ってきたのでしょう?

 

遊川:俺は4人兄弟で育って。

 

竹内:僕は3人ですね。下に妹と弟がいて。

 

遊川:俺は女、男、男、女の、下の男で。長女でも長男でも末っ子でもないから、自分のポジションがなかったんですよ。だから目立とうとしてました。自己顕示欲のかたまりだよね(笑)。うちは母子家庭だったけど、母親に「俺はここにいるぞ」「俺がいちばんだろう」って、常にアピールしてた。ちゃんと勉強して、いい子にして。あと、ちょっとユーモアもあって、とか。だって兄弟は敵だったから。

 

竹内:えっ!? 兄弟のことをそんなふうに思います……?

 

遊川:敵というかライバルかな。今ではいい兄弟だなって思うけど。この複雑な感情は兄弟の、真ん中の人にしかわからない。

 

竹内:歳はどれくらい離れてるんですか?

 

遊川:おのおの2歳くらい離れてて。上と下の歳が近いぶん、「コイツらを蹴落とすにはどうすればいいか?」余計考えてた気がするね。そうすると何十年か経った後、こんな性格になっちゃうんだけど(笑)。

 

竹内:(笑) いちばん上だと「蹴落とす」とか考えないですもんね。

 

遊川:長男っていうのは安心してるわけ。俺なんか自分がウチにとって必要かわかんなかったんだから。「本当にこのウチの子どもかな?」という恐怖たるや。実は高貴な家柄の生まれで、やんごとなき事情で捨てられて……なんて想像力はたくましくなったけどね。 そのおかげで脚本家になることができて。そこから急に大事にされるようになった。「簡単だな、おい!」って(笑)。

 

(C)NTV

竹内:(笑) そういう意味では僕も過保護に育てられたんですかね? すごく可愛がってもらったと思うから。

 

遊川:っていうか、ご両親から「愛されてる」という自信はある?

 

竹内:あります。長男なうえに、祖父母からすれば初孫でもあったので、家族全体から愛してもらいました。

 

遊川:素晴らしいご家族だね~。

 

 

■「初はどうしてこんなに怒っているんですか?」

 

 

──遊川さんは、ドラマのスタート直前のインタビューで「過保護に育てられた記憶がないため、どちらかというと過保護への憎しみが強い(笑)」と冗談を交えつつおっしゃっていました。

 

遊川:だから最初(『家政婦のミタ』などでコンビを組んできた日本テレビの大平太)プロデューサーから「過保護をテーマに」と話がきたんだけど、「こんなドラマ書けるか」って思ってたんですよ。でも、今の日本は親子にしろ社会にしろ、過保護がいっぱいじゃないですか?

 

竹内:確かに、よく耳にしますね。

 

遊川:だけど、誰かを愛すること、大事にすることはとてもよいことであって。そう考えると“過保護”から「愛とは何か?」「家族とは何か?」。そんなテーマが浮かんできた。とはいえ、自分にそんな過保護な要素がまったくなかったから。それで麦野初に自分を投影させて。“初側”で育った人間は、みんなどこかひねくれてるんだよね(笑)。

 

竹内:撮影に入る前の準備期間、初に近づけずに悩んだのは、僕にそういう感情だとかが無かったからですかね?

 

遊川:だと思うよ。ウチで言うと妹が過保護に育った方だと思うんだけど、貧乏なのにコタツで寝て、しかも、こうこうと電気までつけてるのに誰にも文句を言われない。俺はそれを見て「勉強もしないくせに、この野郎!」と思ってた。当時は子どもだし、そういうやっかみとか怒りを覚えてたから。

 

竹内:だからですかね? 台本を読んで、言わんとすることはわかるんですけど、実際に芝居をやってみると、どうしてもベクトルが違ってたんですよ、遊川さんと。途中で理解できるようになったんですけど。

 

遊川:「初はどうしてこんなに怒っているんですか?」って言ってたもんね。それは、怒る準備ができているからなんだけど。カホコのように、自分から見て甘えたヤツがいると着火する準備が常にできてる。なんならフライング気味で怒っちゃうくらいの(笑)。

 

竹内:そのテンポが最初つかみづらかったです。初が怒る沸点がわからなくて。やりながら自分なりによくなってきたかなぁと…。

 

遊川:……ん!?(疑問の眼差しを竹内に向ける)。

 

竹内:あれ? 遊川さん言ってくださったじゃないですか!? 「やればやるほどよくなってるよ」って。

 

遊川:そう言わないと落ち込むだろ~(笑)。

 

竹内:(笑) そういうことかー。でも1ミリくらいはよくなってますよね?

 

遊川:まー、1ミリくらいは、ね。

 

竹内:でも、僕は前向きなんで、その言葉をいい方に捉えてやっていきます。あの遊川さんが1ミリでもいいと言ってくれたって(笑)。

 

遊川:「あの」って!(笑)。でも冗談抜きに、一生懸命だからね、竹内くんは。で、さっき自分でも言ってたけど、初をつかんでくれた瞬間があって。それはうれしかったな。

 

 

■「初は優しさだとか愛もある男なんです」

 

 

──具体的にどんなシーンで「つかんだ」と感じたのですか?

 

竹内:具体的に“どこ”というわけではないんですけど……。

 

遊川:なんと言うか、テンションですね。なにせ(自分は)フライング気味な男なんで。最初からココ(手の平を頭の上に掲げて)でいってくれと。そうしたら1話に入る前のリハーサルの段階でテンション、テンポをつかんでくれて。最初は2、3話までかかるだろうなと思っていたんですけど。またね、彼(竹内)がやると暑苦しくないし、キュートに見えるんですよ。初に自分を投影してる俺からすると、そこが腹立つんだけど(笑)。

 

竹内:キュートに見えるならば、そこは許してください(笑)。

 

遊川:(笑) あとアップダウンが上手く出せるようになったと思うよ。人間って必ず影の部分と光の部分があって。そこの落差があるから芝居が広がるわけで。予測不能なところも面白い。

 

竹内:最近は、台本を読んでシーンを想像する時に必ず遊川さんを思い浮かべるようにしているんですよ。「遊川さんならどう言うだろう? どう動くだろう?」って。で、自分の中で「俺、どうしちゃったのかな?」くらいやった方が伝わると気づいた時から、初という人間を演じることがより面白くなってきました。

 

遊川:本人はいい感じでやってると思ってても、見てる側にはちょっと大げさにやらないと伝わらないんだよね。また影と光、そのアップダウンがある方が人間味も出るし。

 

──ちなみに初は父親と死別し、母親も蒸発したため施設で育った過去があり、奨学金で入った大学でもアルバイトをいくつも掛け持ちしている苦労人です。

 

遊川:そういう境遇ではあるんだけど、それでいて優しさだとか愛もある男なんです。

 

竹内:根本的には優しいヤツなんですけど、カッコつけると遊川さんから「カッコつけないで!」と言われるんで(笑)、いかにカッコつけずにやるかが難しいところですね。

 

遊川:それでも「カッコいい!」とか言われてるけど(笑)。

 

竹内:初は、いわゆる“ツンデレ”というわけでもないんですよね?

 

(C)NTV

遊川:彼は愛情表現が上手くないわけ。かく言う俺も、本当は愛情深い人間だと思ってるからさ、自分では……ってなに笑ってるんだよ!(笑)

 

竹内:いえ、いつも愛に溢れてると思います!

 

遊川:(愛情表現が)わかりにくいだけで、本当はうらやましいんだよね、愛されてる人が。カホコにしても、愛を一身に受けてきた人間は素直だし、人のことを疑わない。ただ、「そのままじゃダメだろう」「生きていけないだろう」と(笑)。それで、何だかんだおせっかいを焼く。いちばん冷たい行動って無視じゃない?

 

竹内:確かに、無視されるのはツラいですね。されないまでも本音で接してくれないとか。

 

遊川:でも初は、どんな相手も決して無視はしない。本音で接する。そこが彼の人間的な魅力だし、そこをカホコも好きになったと思うんだよね。

 


日テレ水曜ドラマ

『過保護のカホコ」

脚本 遊川和彦
音楽 平井真美子
チーフプロデューサー 西憲彦
プロデューサー 大平太ほか
演出 南雲聖一ほか
出演 高畑充希、黒木瞳、竹内涼真、佐藤二朗ほか
制作協力 5年D組
製作著作 日本テレビ

HP:http://www.ntv.co.jp/kahogo-kahoko/

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