1杯でリッチな気分に…懐かしのオレンジジュース缶

コラム

久須美 雅士

 

■オレンジジュース1杯でもリッチな気分に

 

高度経済成長というと、デパートの最上階には大食堂がありました。そこで家族と食事をしたときに、ビンのオレンジ飲料を飲むことがありましたが、それはそれはリッチな気分になったものです。最近でも結婚式や宴会での子ども用の飲み物として提供されますが、主流は果汁100%ジュースやスムージーがメインになっています。そこで今回は、ちょっと昔のオレンジジュースを紹介したいと思います。

 

なお、厳密にいえば果汁100%でないと「ジュース」の名称が使えないのですが、ここではわかりやすく「オレンジジュース」という表記も使っております。

 

 

■元祖オレンジジュース!「バヤリース」の名前の由来は?

 

左:「バャリースオレンヂ」(1978年ごろ)、右:「キリンオレンジ」(1991年)

 

アサヒ飲料の「バヤリース」は、現在では「バヤリースオレンジ」と綴りますが、約30年前の1987年12月までは「バャリースオレンヂ」でした。1938年にアメリカのバヤリーさんが画期的な果汁の殺菌法を発明したことから、氏の名前を冠したオレンジ果汁入り飲料が登場。今回ご覧に入れる缶は、私がジュースの空き缶収集を本格的に始める前、1978年の初めごろに飲んで保管していたものです。

 

「キリンオレンジ」もかつては定番のオレンジ飲料でした。現在も業務用としてビン入りが販売されていますが、20年ほど前までは缶入りも販売されていました。当時はまだ子ども用の飲み物として需要があったのです。今回紹介するのは1991年のパッケージですが、「バヤリース」と並べるとそっくりですね。

 

 

■「Qoo」の前身、懐かしの「HI-C!」。「リボンちゃん」は還暦に

 

左:「HI-Cオレンジ」(1991年)、右:「リボンオレンジミックス」(1995年)

 

コカ・コーラの「HI-C」は1970年代に発売された果汁飲料です。現在販売されている同社「Qoo」の先祖にあたります。当時のコカ・コーラ製品は老若男女楽しめる品として企画されたものが多く、果汁飲料は子ども向けではなかったかと思います。

 

「リボンオレンジ」はサッポロビールのオレンジ飲料です。現在はポッカサッポロから販売されています。リボンといえばCMキャラクターの「リボンちゃん」。彼女は1957年12月新橋生まれ、この12月で還暦です。リボンちゃんの姿をお目にかけたいので、今回は1995年に発売された「リボン・オレンジミックス」をご覧に入れます。

 

 

■「なっちゃん」発売前はこれ! 「ポンジュース」の懐かしパッケージも

 

左:「サントリーオレンジエード」(1991年)、右:「ポンジュース」(1991年)

 

現在、サントリーの果汁飲料というと「なっちゃん」ですが、その直前に販売されていたのが「オレンジエード」です。オレンジのイラストの下に商品名というのは「バヤリース」やキリンのオレンジ飲料と同じですが、サントリーらしいポップなパッケージ。

 

「ポンジュース」は現在も販売されていますが、PETボトル入りが主流となっています。「ポンジュース」は愛媛産みかんの輸出策から考えられたものであり、商品名の「ポン」は「日本一」から来ています。名付け親は当時の愛媛県知事といわれています。

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