誰しも一度はドハマりする、デカビタCの魅力とは
■『デカ』い『ビタ』ミン炭酸飲料なので『デカビタ』
ここ数年、エナジードリンクブームということで、レッドブルをはじめとするエナジードリンクをよく見かけますが、28年前にもビタミン入り炭酸飲料がブームになったことがありました。それが今回紹介する、サントリーの『デカビタC』です。
ベースとなったのは大塚製薬の『オロナミンC』。塾通いの子どもから「オロナミンCでは足りない」という声を聞き、『大きなオロナミンC』として企画されたとのことです。発売は1992年ですが、CMには翌年93年から始まったJリーグ選手の“キングカズ”こと三浦知良さんを起用したことも相まって、大ヒット商品となりました。
しかし、大容量のビタミン入り炭酸飲料はデカビタが初めてではありません。1985年にはチェリオジャパンより350ml缶入り『ライフガード』が発売されていますし、サントリーと同じ関西のメーカー、日本サンガリアからも同様の製品がすでに販売されていました。
もう1つツッコミを入れますと、オロナミンC自体も1960年代のドリンク剤ブームに乗っかって発売された品だったりします。
デカビタCのヒットに便乗し、他の飲料メーカーからも同様の商品が発売されました。コカ・コーラは、すでに『リアルゴールド』というビタミン入り炭酸飲料を販売していましたが、サイズを大きくした『サムソンV』を発売しました。パッケージにサッカー選手が描かれていることからも、デカビタCを意識していることがわかります。
ダイドードリンコからは『エナジージム』という商品が販売されました。ダイドーの飲料事業はビタミン飲料の販売から始まったので、発売されて当然の商品だと思います。現在でもほとんど変わらないパッケージで販売されています。
1990年代初めは、どの飲料メーカーも自販機展開に力を入れていました。アサヒは現在『ドデカミン』というビタミン入り炭酸飲料を販売していますが、93年当時は『パワビタ・イレブン』とサッカーのチーム人数の11人にあやかった商品名をつけていました。
カルピスは当時親会社だった味の素が販売している栄養飲料『アルギンZ』の姉妹品として、大容量の商品を販売していました。
デカビタC発売の理由が塾通いにあったとのことで、記憶力が向上するといわれるDHA(ドコサヘキサエン酸)を配合した商品飲料や、ビタミン入り炭酸飲料であることを明確にするために、茶色のガラス瓶のイラストを描いた缶入り商品も出ていました。現在でも缶入りのデカビタCには、ガラス瓶のイラストが描かれています。