社会でも家庭でも“豊か”になれない…疲弊する日本女性たち
仕事に翻弄されるアラサーOL、どんな時代も仕事と育児との両立に悩まされているワーキングマザー、夫よりも睡眠時間が短い妻たち…。それでも日本では、女性の年収は男性の年収になかなか及ばないという現実。それぞれのステージで疲弊している女性たちの叫びとは。
現在、男女格差の社会的規模の是正が進んだ米国では、女性の年収は男性の80%強まで上昇している。いやそれでも本来的には、平等を掲げるあの社会としてはその20%のギャップも「理不尽だ」と激しい論争の種だろう。なぜ性別でこのような格差が生まれるのか、それは差別であると、社会のあちこちで怒号を上げる市民がいるだろう。怒号では解決しないと思うひとは、社会のどの要素が女性の収入に対する「下方圧力」となっているのかを分析して、いまこの瞬間にも具体的に働きかけているだろう。
しかし日本の女性は、同じ時代に男性の年収の半分をようやく超えるくらい、53%で暮らすという人生を、おとなしく享受している。必ずしも怒りの声を上げるでもなく、デモやストライキが起こるでもなく。
日本は先進国である。GDP世界第3位、最近まで2位に位置した、経済大国である。その先進国で、事実上「女は、男の半分」。日本の女性はなぜこれに発狂しないのか。
■「どうして私たちはこんなに仕事に人生を奪われているんだろう」アラサーOLの苦悩
「睡眠不足のせいで、数か月に何回か、顔が泥色になる人がいるんです。仕事量のバロメーターはその人が基準。“あの人がまだ平常だから、みんなはまだ働ける”みたいな感じになっているんです。いつか、倒れるんじゃないかと思っているんですが、意外と倒れないから、健康なんでしょうけど。でも、これから年を取っていったら体力は低下しますし、無理がたたってっていうことだってありますよね。死亡記事が新聞に載る前に仕事のやり方を改めるべきでは、と平社員ベースでは話しているんですが……」(IT会社勤務・30歳)
働いても働いても仕事が終わらない…。あるときは上司のせい、またあるときは同僚のせい。「どうして私たちはこんなに仕事に人生を奪われているんだろう」と悶々としながら働き続けるアラサーOLたちの生の声です。
もっと詳しく知りたい方はコチラ>> アラサーOLが過労死しないで仕事を続けるにはどうしたらいいの?
■「ワケあり」扱いされたり応援されたり、社会に振り回されるワーキングマザー
今より遥かに保育所なんて少ない時代、どの会社でも長時間職場にいればいるほど社へ貢献していると評価される時代、小さい子どもを抱えて仕事を探しても、鼻であしらわれる母親たちがいた。
子どもを保育園に預け限られた時間で働くことをあっちからもこっちからも自分勝手だとなじられ、悩む母親たちがいた。子どもの体調で欠勤したり早退したりすることで、周囲に子どもにも迷惑をかけている、と自分を責める母親たちがいた。
「ワーキングマザー」がまだ珍しかった時代には、子持ちで働く女は「ワケあり」扱い。働く母親が増えた今ではむしろ、結婚出産後は家事も育児も仕事もするのが理想だと“応援”されるという状況の中、両立に苦戦する彼女たちの悩みは深まるばかりです。
もっと詳しく知りたい方はコチラ>>日本のワーキングマザーが疲れ果てている
■明らかに夫より睡眠時間が短い40~50代の妻たち
男女の睡眠時間の差を見てみると、明らかに40~50代で夫より妻の方が睡眠時間が短く、60代以降はまた夫婦の差がなくなるというデータが示されていました。
タイムカードでは分からない過労というのは、要するに「職場」以外での労働が多いということです。
先日「疲れやすい・だるい」を主訴に受診された更年期世代の患者様も、子どものお弁当を作るために4時起きして、パートに出かけて、家事は全部自分がやって、さらには子どものクラブ活動の世話役までしなければいけないということでした。明らかに過労による疲労です。
結婚前は「家事は分担する」という意識を持っていた男性も、結婚後は「なんだかんだで妻がやってくれるよな」と甘えてしまう傾向にあるのではないでしょうか。
もっと詳しく知りたい方はコチラ>>女性の過労はタイムカードでは分からない