【SNSで話題】なぜ? リードに黄色いリボンをつけている犬を見かけたら近づいちゃダメ
つながりを広げてもいないこんなアカウントで呟いてもあんまり意味ないかもだけど、もしかしたら1人くらい広がるかもしれん。
— BHI (@draffandpotale) 2018年10月10日
yellow dog project
リードに黄色いリボンをつけている犬を見かけたら、近づかない、じっと見ない、声をかけないで、知らんぷりで通り過ぎてあげてください。 pic.twitter.com/AIaXxprbZh
リードに黄色い「リボン」が結び付けられている犬についてSNSで話題になっていますが、「知らなかった」との声も多く挙がっています。この黄色いリボンの意味について、ドッグライターの大塚良重さんに詳しく伺いました。
リードに結び付けた黄色い「リボン」に代表されますが、犬の首に黄色いリボンを巻いたり、またバンダナやベスト、リードなどもあります。共通しているのは色が黄色であること。ベストやリードなどには、「トレーニング中です、私には距離をとってください」というような意味合いの文字が書かれているものもあります。
大塚さんによると、黄色いリボンの対象になるのは他の人や犬に無暗に近づいて欲しくない、近づかないほうがその犬のためになる場合で、以下のようなケースが挙げられるそうです。
- 病気やケガ、高齢などの理由でそっとしておいて欲しい犬(例:ケガや手術後の回復期である、興奮すると発作を起こす病気がある、体に痛みがあり触って欲しくない、高齢で気難しく他の人との接触を嫌がる、など)
- 他の人や犬を怖がる、過剰反応してしまう犬
- 他の人や犬に対して攻撃的になってしまう犬
- 視力や聴力がなく、他の人や犬にいきなり近寄られると怖がる犬
- 犬を引き取ったばかりで社会に慣らすためのトレーニング中である
……など。ちなみに大塚さんによると、この黄色い印はスウェーデン発祥と説明されることが多いものの、その源泉は1900年代末にアメリカの著名なドック・トレーナーが取り入れていたアイデアにあり、それがオーストラリア、スウェーデン、カナダを経て、ジワジワと世界へ広がったと考えられるそうです。
とはいえ認知度はまだまだ低く、その意味を知らない人も多いため、
- リボンやバンダナがかえって人目を引き、(意味を知らないため)逆に「可愛いですね」などと近寄ってきたり、触ろうとしたりする人もいるだろうということ
- リボンの役割に頼りきって、例えば攻撃性のある犬の場合、それを直すトレーニングを試みないなど本末転倒な使い方
- 国内では聴導犬や介助犬が黄色やオレンジ系のベストを着ていることが多いので、同プロジェクトでベストを用いた場合、遠目にはややもすると混同されてしまう可能性(聴導犬・介助犬・盲導犬といった補助犬も、仕事中には「勝手に触る」「じっと見つめる」「話しかける」「勝手に食べ物や水を与える」などの行為はNGとされるが)
など、黄色いリボンが本来もつ意味をうまく利用できない場合や、誤認される場合もあり得るといいます。
一般の人にできることは、とにかく無暗に近づいたり、触ったりしないこと。距離をおいてそっと見守ってあげるのが、その犬や飼い主さんにとって一番ありがたいことなのだそう。これを機にしっかりと覚えておきたいですね。
※情報は2018年10月22日現在のものです