【SNSで話題】医師に聞いた「梅毒」が増え続ける原因と予防法

コラム

citrus 編集部

 

国立感染症研究所(感染研)は梅毒(ばいどく)の今年の患者数が計6096人となったと発表。現行集計上で過去最多であることなどが話題になっています。なぜ梅毒はこれほどまでに増え続けているのでしょうか。内科医の山本佳奈先生にお話をうかがいました。

 

原因はいくつか考えられます。

 

一つ目に、マッチングアプリの普及です。米ボール州立大学の性と心理学の研究者であるジャスティン氏は、アプリユーザーはそれ以外の人々よりも性的パートナーが多い傾向があるという事実を受け、これは、アプリに慣れ親しんだ人がそうでない人よりも性的に活発である可能性が高いとコメントしています。もっとも、問題なのは、アプリの存在そのものより、アプリを使用するユーザーの「行動」である可能性もあるのです。

 

二つ目に、エイズや梅毒が流行している中国からの観光客が日本の風俗店を利用することにより感染が広まっている可能性も考えられます。

 

三つ目に、風俗店に所属しないフリーランス営業がSNSの発達により可能になっていることも要因の一つであると考えられます。風俗店に所属している女性は定期的に検査をすることが徹底されていますが、自営業の場合、自分でしなければならず、知識や問題意識がなければ、性感染症検査を定期的にすることもなく、知らぬ間に感染を広げている可能性は容易に考えられます。

 

山本先生によれば、性的にアクティブな世代が性感染症について知らないことや、当事者意識が低いことも、梅毒に限らず性感染症罹患の原因だと考えられるそうです。

 

感染症発生動向調査における届け出の内訳をみると、男性は依然として20代から40代の幅広い年齢層から届出られており、女性は20代前半に特に多いことがわかります。

 

関西エリアの風俗店を利用した訪日観光客が原因という見方もありますが、本当なのでしょうか? 

 

それも一つあるでしょう。九州に限らず、沖縄や関西への訪日観光客は多いです。

 

グローバル社会なので、国を超えて感染することは避けられません。梅毒だけでなく、例えば今流行している風疹もそうです。風疹ワクチンが定期接種にすらなっていない国もあります。そういった国へ出張したり観光に行けば、感染するリスクがあるということです。

 

いかに予防するかが大切になってくる、という山本先生。では梅毒の予防法は…?

 

主な感染経路は、「粘膜や皮膚が感染部位と直接接触すること」ですから、コンドームを使用することが有効です。

 

しかし、コンドームで覆うことができない部分の皮膚からも感染がおこる可能性があるため、コンドームを使用しても、100%予防できません。また、性器と性器以外にも、性器と肛門(アナルセックス)、性器と口の接触(オーラルセックス)等も感染の原因となります。

 

皮膚や粘膜に異常があった場合は性的な接触を控えること、早めに医療機関を受診して相談すること、またパートナーが変わった時など、性感染症検査を定期的に行ってほしいと山本先生はアドバイスしてくれました。

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