【SNSで話題】“なんとなく”ではなかった! 「犬の性格が飼い主に似る」理由

コラム

citrus 編集部

 

 

犬の性格が飼い主に似ていることについての最新論文が発表され、話題となっています。ではなぜ、犬と飼い主の性格は似てくるのでしょうか? ドッグライターの大塚良重さんに詳しくお話をうかがってみました。

 

犬と飼い主との性格が似ている、ということは実際よくあると思います。ちなみに、私自身も、愛犬と性格が似ていると言われます。

 

たとえば、穏やかで落ち着いた人はしゃかしゃか落ち着かない犬はなんとなく合わないとか、社交的でアクティブな人は同じく行動的な犬の方が好き、といったように、犬を選ぶとき、無意識であっても自分の性格や行動などにマッチしやすい犬を好む傾向にあるのではないでしょうか。

 

ということで、どこかしら似た者同士になるのではないかと考えています。

もともと無意識に自分に似ている犬を選ぶ傾向があるだけでなく、一緒に過ごすうちに似てくる性格もありそうです。大塚さんによると、「性格」にはいろいろな要素がある中で、変化し得るものや、変化しにくいものもあり、また、遺伝に影響されるもの、飼い主の性格・環境・経験などに影響されるものがあるのだとか。

 

今回話題になっている論文では、犬の年齢による性格の変化についても調べていますが、性格が変化することもある中で、「恐怖や不安はあまり変化しない」と研究者は述べています。

 

また、今年発表された犬種特性に関連する遺伝子研究では、「訓練性能、追跡能力、見知らぬものに対する攻撃性がもっとも遺伝しやすい」としています(MacLean et al. 2019)。

攻撃性については、体罰やネガティブな方法で犬をトレーニングした場合は攻撃性が2~3倍高くなる(Casey et al. 2014)という研究結果も。

 

神経質な飼い主、または曖昧で不安な態度をもって接する飼い主が飼う犬では、コルチゾール変動率が低いという研究もあります(Schöberl et al. 2017)。つまりストレスを受けても解消されにくいということなのではないかと考えられます。

 

また、強制的なトレーニング方法を用いる飼い主が飼う犬は、攻撃性や分離不安、吠えの問題を抱えている傾向にあることや、感情的に安定している飼い主が飼う犬は、留守番をしている時にトイレの粗相をする可能性が低い傾向にある(Serpell et al. 2018)といった論文もあります。

これらさまざまな研究結果から見ても、「飼い主の性格や行動、生活環境が犬に影響を与える」というのが大塚さんの考えです。さらにもう一点、「犬は飼い主のすることを模倣できる動物でもある」ということにも注目している大塚さん。

 

例えば、飼い主がバーを跳んで、犬にも同じように真似をさせてバーを跳ばせるというように、飼い主と同じことをするように仕向けてトレーニングする方法もあります。

 

これを考えると、もしかしたら、飼い主の性格や行動の影響というほかに、なんとなく飼い主の真似をしているうちに似てきてしまうという部分もあるのかもしれません。

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