【SNSで話題】「月経前症候群」にはビタミンBとDが効く? 喫煙の有無も関係あるってホント?

コラム

citrus 編集部

 

 

生理前に風邪をひきやすい、生理中に眠くなるなどの症状はアジア人に多い特徴⁉ という投稿が話題になっています。月経前に何らかの身体的、精神的変化を感じる女性は少なくありません。このいわゆる月経前の症状について、内科医の山本佳奈先生にお話をお聞きしました。

 

上記の症状は、いわゆる月経前症候群(PMS)の症状を指していると思われます。

 

不安やイライラ、突然悲しくなったり涙もろくなるなどの精神的な症状から、集中力の減退、過食、仮眠や不眠などの身体的症状まで、人によって内容も重度もさまざまであることも特徴です。

 

この月経前症候群が「アジア人に多い」という説について、山本先生は

 

産婦人科診療ガイドラインには、

 

「月経前障害あるいは月経前不快気分障害の頻度は1.2%と報告されている(欧米では2〜4%)。月経前障害あるいは月経前不快気分障害は幅広い年齢で発症し、年齢による偏り、人種差は比較的少ない。ただし思春期女子では頻度が高いとの報告もある。生活習慣や仕事の有無にもほとんど関係しないと言われる」

 

との記載があります。

 

したがって、「アジア人だけに特別多い」とは言えないのではないでしょうか。

 

とのお答え。「生理中はビタミンBとDが不足しやすい」とのことですが、これについても、医学的根拠はなく、特にアジア人に限ったことではないと山本先生は指摘しています。生理といえば鉄分が不足するイメージがありますが、日ごろから ビタミンBとDを摂取すれば、生理前後の症状が改善されるのでしょうか?

 

10年間の症例対照追跡調査の結果、食事からのビタミンB・チアミンやリボフラビン摂取量が多い女性は月経前症候群をきたしにくいことがわかっています。

 

1991年時点で月経前症候群(PMS)ではなかった27~44歳の女性を10年間にわたって追跡調査したところ、カルシウムとビタミンDを豊富に摂取している女性はPMSになりにくいという結果が得られました。また、脱脂粉乳や低脂肪乳を飲んでいる女性もPMSになりにくい傾向がありました。

 

月経不順とビタミンDが低値であることも関連しています。

 

さらに、ビタミンBとDだけでなく、鉄分やビタミンEも月経前症候群に関連する栄養素なのだとか。

 

女性120人が参加した無作為化試験の結果、多価不飽和脂肪酸とビタミンEを含む必須脂肪酸カプセル服用の月経前症候群治療効果を示した論文があります。

 

15-17歳の月経困難症女性278人を対象にした4ヶ月間のプラセボ対照2重盲検試験の結果ビタミンE 200Uを1日おきに服用すると月経困難症女性の痛みが和らぎ、痛みの持続する期間が短縮し、出血量が低下することも分かっています。

 

鉄分摂取量が多い女性は月経前症候群(PMS)を生じ難い一方で、カリウム摂取量が多い女性はPMSリスクが高いという結果が出ている論文もあります。

 

ちなみに、山本先生によると、喫煙も要注意だそうで、

 

看護婦116,678人の追跡調査(Nurses' Health Study II)のデータを解析したところ、喫煙女性は非喫煙女性に比べて2-4年以内にPMSを2.1倍発現しやすいという結果が得られました。

 

また、15歳の誕生日前からタバコを吸い始めた女性は非喫煙女性に比べてPMSを2.53倍発現しやすいことがわかっています。

 

「アジア人だから月経前は辛くても仕方がない」という根拠のない諦めは捨てて、ビミンや鉄分、カルシウムなどをバランスよく摂取すること、喫煙量を減らすことなどから試してみるとよさそうですね。

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