思わず涙してしまう、清原和博「トライアウト監督」として再起への第一歩

コラム

 

「野球ネタはハネないので、あまり書かないでください」と、citrus編集部からはやんわり釘を刺されているのだけれど、コレだけは書かずにいられない! どうかお許しを!!(事後承諾)

 

 

元西武・巨人・オリックスの清原和博氏(52)が10月30日、都内で行われた『ワールドトライアウト2019』の開催記者会見に出席。「トライアウト監督」としての就任が正式発表された。

 

2016年2月、覚せい剤取締法違反で逮捕され、懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決を受け、その後は薬物の更生プログラムに取り組み、野球界への復帰を熱望していたという清原氏は会見中、感極まったのか質疑応答と写真撮影が終わると、司会者にマイクを要求し、予定表にない行動に出た。

 

 

「今日は、甲子園よりも日本シリーズの打席よりも緊張しておりました。みなさん、ありがとうございます。また頑張りますので、よろしくお願いします」

 

 

……と語り、深々と頭を下げたのだ。Yahoo!系列のニュース解説サイト『THE PAGE』によると、「清原トライアウト監督」が実現するまでには、以下のような経緯があった ……らしい。

 

 

今年、『ワールドトライアウト』というエンターテインメント企画を立ち上げた(株)WorldTryoutが、広告代理店やテレビ、ネット各局へプレゼンして回るなか、某テレビ局のプロデューサーから「清原監督」のアイデアを「再チャレンジというテーマに重なるのではないか」と逆に提案された。

 

(中略)
 

ただ清原氏は、まだ執行猶予期間中。同社の加治佐平CEOは、「執行猶予中なのに大丈夫なのか」との逡巡もあったと明かす。社内でも議論されたが、田中聡COOが「再チャレンジに、ここから始まるという区切りはない。皆さんが(覚せい剤逮捕の事件を)忘れてからやればいいのか。じゃあ、どこからやればいいのか。失敗があっても、もう次の日から取り返さねばならない人生が始まっている。そこと、どう向きあうか。チャレンジの方が苦しい。清原さんにとって野球は再チャレンジの最高のツールになると考えたい」と主張し、オファーを最終決定した。

 

 「清原氏が監督を務めれば、おのずと注目が集まることに加え、トライアウトの現場に緊張感が生まれ、よりレベルの高いプレーも生まれるのではないか」という期待もあるという。まだ執行猶予期間中であることから、協賛を断ったスポンサーもいるそうだが、私個人としては、あまりに素晴らしすぎる英断だと、惜しみない賛辞を贈りたい。

 

 

一度、致命的な失敗をおかしてしまった著名人を、ネットも含む全メディアをあげて突き落とすだけ突き落としておいて、はいサヨナラ……ってのはあまり世知辛い、さびしいじゃないか。まだその人物のスキル・ポテンシャルを必要としている周囲の皆さんからの温かい支援によって、その人物が更生・復帰していくさまをしっかりと目に焼き付けることも大切ではないのか? 私たちも同様、いつどこでなにかをやらかしてしまう危険性だってなくはないんですから。そんなときに「まだ自分を必要としてくださっている周囲の皆さんから温かいお声掛け」でもいただけたら……そりゃもう涙なしではいられないだろう。

 

 

その感慨ぶりは清原氏のインタビュー中のコメントからも痛いほど伝わってくる。

 

「(トライアウト監督のオファーを受けて)感謝のひと言しかないですね。こういうお話をいただいて、またグラウンドに立てるという。そして自分がやってきた野球を」


 
「逮捕されてから約3年半過ぎますけど、こうして野球に携われることが、自分にとっては…やっぱり自分は野球だなということを、あらためて感じさせていただいたので。精いっぱいやらせていただきたいなと思っています」


 
「ここ2年くらいは野球中継も見なかったんですけど、今年はすごく野球も見ましたし、『あぁ、この選手、こうすりゃもうちょっといいのにな、もったいないな』という。そういうことを考えている自分に、自身で驚いてしまったりだとか。今はそういう自分なんですけど」


 
「(トライアウト参加選手も)本当に最後のチャンスと思ってプレーされると思うので、僕もまぁ、当然、全員が全員チャンスをつかめるわけじゃないと思うんですけど、その選手の長所をちゃんと見たいなという」

 

やはり、もう涙なしでは読めません。だから、今日だけは野球ネタでごめんなさいm(_ _)m 

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