【2010年代のガンダム】“宇宙世紀モノ”以外は認めないという人こそ観るべきTV3作品

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昌谷大介

画像はイメージです

 

■『機動戦士ガンダムAGE』(2011年~/全49話)

 

本作は初代主人公、初代の息子、初代の孫によるリレー形式で、三世代の物語を描く壮大な大河ストーリー。

 

まず声を大にして言いたいのは、キャラはかわいいが物語はけっこうエグい! ということ。他の『ガンダム』作品に比べると、登場人物たちの頭身は低めでかわいらしい見た目なんですが、かといって完全に“お子様向け”というわけでもなく、物語はけっこうシリアス&ハードなんです。

 

例えば初代主人公は幼少期、突如襲来した謎の敵・UEに母親を殺された過去を持っています。さらに、ガンダムパイロットとなった後には、戦場で想い人が自分をかばい死んでしまうのです。こうして初代主人公はUEへの激しい憎悪を抱き、彼はこの先数十年、UEへの復讐のためだけに生きていくことになるのでした……。

 

――それぞれの苦悩を抱えた3人の主人公、彼らには残酷な運命が押し寄せて来るのです。

 

 

■『Gのレコンギスタ』(2014年~/全26話)

 

『機動戦士ガンダム』の生みの親である富野由悠季監督が、『∀ガンダム』(1999年)以来手掛けた待望のテレビシリーズがこちら。

 

タイトルに『ガンダム』と入っていないのは入力ミスではありません。TVシリーズ放映当時は確かに『ガンダム Gのレコンギスタ』という表記でしたが、現在は『ガンダム』を取り、『Gのレコンギスタ』のみが正式表記となっています。本作で富野監督は“脱ガンダム”を掲げており、その意気込みが実際にタイトルから『ガンダム』をなくすという決定になったのでしょう。

 

そんな本作の一番の見どころは、“非・宇宙世紀モノ”でありながら、“宇宙世紀モノ”と地続きの物語であるということ! というのも、本作は「宇宙世紀」終焉から約1000年後の未来である「リギルド・センチュリー」が舞台なんです。

 

モビルスーツやミノフスキー粒子といった“宇宙世紀モノ”でおなじみの概念が存在しているので、富野監督は“脱ガンダム”をテーマにしていますが、従来のガンダムファンでもしっかり楽しめる作品になっているんですよね。もちろん“富野節”と呼ばれる独特かつ軽妙なセリフ回しも健在!

 

 

■『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(第1期 2015年~/全25話)(第2期 2016年~/全25話)

 

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』を語るうえで外せないのは、その土臭さ、泥臭さ、血生臭さ。数多くある『ガンダム』作品のなかでも屈指の水準と言えるでしょう。

 

物語は、治安維持組織「ギャラルホルン」の腐敗により、差別や貧困や人身売買が蔓延した世界が舞台。そんな過酷な世界で、民兵組織「鉄華団」を結成した少年たちを描いていきます。

 

ガンダムパイロットである主人公は、脊髄に埋め込んだ機器をモビルスーツと接続する強化手術を受けており、第2期には愛機のガンダムとどんどんシンクロしていく描写が、どこか狂気的に描かれていくのです。

 

また、従来の『ガンダム』シリーズは、最終回に主人公が駆るガンダムと、ライバルが駆るモビルスーツの一騎打ちで決着をつけるのがセオリーですが、本作はそんな“お約束”を完全無視。そして、ネタバレになるため“誰が”とは言いませんが、主要キャラの多くが死んでいき、無情ともいえるラストが待っているのです……。

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昌谷大介

編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)代表。ライター・エディター・映像クリエイター。1979年、神奈川県生まれ、大正大学 文学部 日本語・日本文学科卒業。『週刊プレイボーイ』(集英社)、『ダイヤモン...

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