「金持ちは金があると言った時点で下品!」立川志らくの前澤氏批判から「下品」という単語について考察してみた

コラム

 

落語家の立川志らく(56)が12月11日、自身がMCを努める朝の情報番組『グッとラック!』に出演。先月29日にYouTube公式アカウントを立ち上げ、YouTuberデビューした『ZOZO』の創始者・前澤友作氏(44)について言及した。

 

今回、MC志らくが論議のネタ元としているのは、前澤氏によるYouTube初投稿の動画「1000億円を通帳に記帳してみた」へ向けられた一連の批判について、前澤氏が“反論”として自身のTwitterに投稿した

 

「人に下品という前に、人のお金の使い方にケチつけることが一番下品だということに気づいて欲しい。もっとお金から開放されたらいいのに」

 

……といったくだりである。『スポニチAnnex』によれば、志らくは同ツイートに対し、以下のような持論を展開している

 

「そうですかね。そうしたら下品に対して批判は一切できないじゃないですかね。金持ちっていうのは、お金を持ってると言った時点で下品って言われること覚悟しなきゃダメですよ」
 
「本当の金持ちって言わないもん。だって、石原裕次郎や美空ひばりは“私、金持ってます”なんて絶対に言わない」
 
「チャップリンのライムライトの“人生には想像力と勇気とわずかばかりのお金が必要だ”って言ったって、チャップリンはものすげえ金持ってるから。やっぱ金があるって言った時点で下品になるっていうのはしょうがない。見せたらば批判されてどうのこうの言うのはおかしい」

 

 まあ、たしかに「1000億円の預金がある口座通帳を記帳して、それを公へと動画で発信する」という行為が上品か下品かと問われれば、お世辞にも「上品」とは言えない。仮に、それを「下品」だと断定しておこう。しかし、そもそも「下品」であること自体、悪いことなのか? 『ZOZO』を辞めた前澤氏が、これから新事業を立ち上げるためには、もしかすると“潤沢な資産”を広くアピールする必要だってあるのかもしれないし……。そんな“個人の事情”をロクに推測もせずに石原裕次郎だとか美空ひばりだとかチャップリンだとか、もはや“歴史上の人物”的な古い例えを比較対象にもってきて、「上品」と「下品」の勧善懲悪にカテゴライズしてしまう発想こそ下品でないのか?

 

私は、「下品」のなかにも「良い下品」と「悪い下品」があると考える。先述したとおり、前澤氏の「1000億円記帳」を「下品」とするならば、これは「良い下品」だと私はジャッジする。あと、

 

スティーブ:オレの娘、可愛くなってきたろ?
 
マイケル :だね。とてもチャーミングだよ。
 
スティーブ:でも、最近娘がオマエに似ているって、まわりからよく言われるんだよ…
 
マイケル :Oh! オレはちゃんとつけていたぞ!

 

……みたいな下ネタ混じりのアメリカン・ジョークも「良い下品」だ。反して、先日ここcitrusに寄稿したコラムにも書いたように、人を「仕事ができる・できない」もしくは「勝ち組・負け組」……などとバッサリ二分割して評価する安易さ、それに「人脈」なんて言葉を頻繁に使用する感性は「悪い下品」。前者は「他人を貶めていない」、後者は「他人をどこかで見下している・モノ扱いしている」といったシンプルな理屈である。

 

ちなみに、同番組上でコメンテーターの一人が「彼に注目したら負けです」とおっしゃっていたとも聞くが、そう頑なにシカトするのも大人げないと思いません? 少なくとも普通の人にはなかなかできないことをやっているんだから、普通に注目すればいいのでは……(笑)?

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