東出不倫騒動で浮き彫りに…"中条きよし"をコメンテーターとして起用する『バイキング』の大胆さ

コラム

 

歌手で俳優の中条きよし(73)が1月23日、『バイキング』(フジテレビ系)に出演。俳優の東出昌大(31)の不倫と、妻で女優の杏(33)との別居が『週刊文春』で報じられたことについて意見し、それがちょっとした物議を醸している。とりあえずは、そのおおよそな内容をスポーツ新聞各社の後追い記事から抜粋してみよう。

 

 

「やっぱり男のほうがしたことは悪いと思うけど、女房・子どもがいるってはっきり分かっている立場で付き合うのだったら、一回ですよ」

 
「後をひくような付き合い方をしちゃいけない、(杏に?)失礼だから」

 

「元の鞘(さや)に戻るのが一番いいですよ。(不倫関係が)続いているのがよくないことだから、遊びは一回まで」 

 

「こういう問題があったとしてね、男はだんだんと歳をとってくると、昔のことを考えたら“本当に悪いことしたな、申し訳ないことしたな、あのときこうしておけばよかったな”という思いがあるのね。そのなかで、できれば元の鞘に、このようなことを二度としなければいいし。皆が勝手に好青年とかおしどり夫婦とか(イメージを)つけているわけだけど、(実際は)そうじゃないかもしれない」

 

「(東出の不倫相手とされている唐田えりかについて)「清純派女優って書いてあるからそうだけど、やりたい放題の女優って書いてりゃさ、別なんで」

 

なかなかに意味不明な部分の多い、でもキナ臭さがぷんぷんと漂っていることだけは間違いない奔放なコメントの数々である。早い話「一回だけなら浮気もアリ」ってことか? このご時世にすごいことをおっしゃっている、中条きよし! 正直、しょせんはまったく面識のない人たちがやらかしている色恋沙汰ゆえ、不倫騒動自体についてはわざわざコラムの貴重な文字数を割いてまでモラル云々などを問う気にもなれないのだけれど、こうした炎上必至のデンジャラスな発言をものともしない中条きよしを、あえて「コメンテーター」として起用している『バイキング』の大胆さには、驚嘆を禁じ得ない。

 

『サンデーモーニング』(TBS系)の張本勲(79)もまた、やはり中条同様の「奔放なコメント」によって、もはや週イチの炎上がお約束となっているおじ(い)さんの一人だったりする。だが、張本勲の場合は炎上したところで、その分野はあくまで「スポーツ」どまり。いっぽうの中条が“戦場”とするのは、「不倫」だとか「薬物」だとか……と、ときには「人としての倫理観」にまでおよぶデリケートな話題をも“料理”しなければならない真っ昼間の総合情報バラエティ番組──失言(?)の質次第では、あながち大袈裟ではなく下手すりゃスポンサーさえも失いかねない。

 

そもそも、中条きよしのデビュー曲(1974年)のタイトルは「うそ」。

 

折れた煙草の 吸いがらで
あなたの嘘が わかるのよ
誰かいい女(ひと) 出来たのね 出来たのね

 

……なんて歌詞を朗々と唄い上げてレコード大賞の新人賞まで獲っちゃったヒトなのだ。男の浮気や不倫を“美学”とする、かつての演歌の世界にどっぷり浸かっちゃっている“大御所”に、いざ「不倫」に関して語らせてしまえば最後、この手の「コンプライアンス」なる言葉を極北とするロジックが淀みなく展開されるのは火を見るよりも明らか、制作サイドも安易に予測できるのではないか? 個人的に私は世間の時流や空気を一切読もうともしない、とんちんかんなコメンテーターって嫌いじゃないですけどね……。あと、念のためお断りしておくが、私は「中条きよし」という存在そのものが面白いと言っているだけであって、不倫を肯定しているわけでは決してない。勘違いなさらないように。

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