同窓会・アイドル追っかけ・フーゾク…に勝る「不倫ワクチン」は近い将来、開発されるのか?
いちいちお断りを入れるほど厳密なものでもないのだけれど、ここcitrusでは「ネットニュースパトローラー(略:NNP)」の肩書きで日々執筆に勤しんでいる私だが、今日の“ネタ”は書籍からいただいた。
社会学的に不倫を考察しているという坂爪真吾さんというヒトが、自身の著書『はじめての不倫学』(光文社新書)で、「不倫ワクチン」なるワードを使用していた。
「不倫」とはもちろん「特に婚姻関係にある男女が配偶者以外と深い恋愛関係に陥る行為」のことを指し、「ワクチン」は比喩である。
念のため「ワクチン」の意味を簡単におさらいしておこう。Wikipediaには、
「病原体から作られた無毒化あるいは弱毒化された抗原を投与することによって、体内に病原体に対する抗体産生を促し感染症に対する免疫を獲得する、感染症の予防に用いる医薬品」
……と書いてあった。で、「不倫を予防するための方法=不倫ワクチン」ってか……。
上手いこと言うなあ、と感心した。「不倫」を「感染症」と見なしてしまう点には少々の引っ掛かりをおぼえもしたものの、昨今続々と白日の下へと晒されている芸能人の不倫騒動を目の当たりにして多くの人々が「なっちょらん!」と憤るのとは裏腹に、少なからずの人々が「オレも(アタシも)不倫できるもんならやりてえよ…」みたいな潜在的願望もつい脳裏によぎらせてしまうことを鑑みれば、まあ「感染」と表現したって差し支えはなかろう。
私は、不倫に対する一番の特効薬とは「お金がないこと」、より正確に申せば「自由になるお金がないこと」、すなわち「おこづかい制」(※月100万円のおこづかいとかは除外)だと思うのだが、それだと「無毒化あるいは弱毒化された抗原」からはかけ離れてしまう。ニュアンスとしては、ワクチンよりも「抗菌マスク」に近いのかもしれない。
自著内で、坂爪さんは「不倫ワクチン」の一処方として、
「配偶者以外との性交渉を“条件付き”で容認することで、家庭崩壊を招く不倫を阻止できる」
……と提言なされている。なかなかに刺激の強すぎる「抗原」だ。80年代初頭に大ブームとなった、かのミリオンセラー『なんとなく、クリスタル』で田中康夫センセイは、パートナーの肉体的な浮気は認め合い、個々の自由を尊重する“クリスタルなカップル”のさまを描いていたが、結局のところ、“嫉妬”という古風な感情を抑えることができず、「容認」の部分は脆くも崩れ去ってしまった。
「条件付きの性交渉」ときたら、最初に誰もがイメージするのは「フーゾク」だが、コレすら「容認」できる妻もそうザラにはいないのではないか。「黙認」がせいぜいで、しかも“接客”をしてくれた風俗嬢に本気で恋しちゃいました……なんてケースだって十分にあり得るし、いっぽうで女性向けのフーゾクは現状、アングラな“地下”にしか点在しない。つまり、下手すりゃワクチンどころか「劇薬」にもなりかねないのだ。
となれば、まだ容認できるのは「アイドル追っかけ」、それに「同窓会に参加して、思春期のころの淡い恋心を懐古する」……あたりがワクチンの効能としては“適度”ではあるのだけれど、願わくば私はもうチョッピリだけ「抗原」に“毒”を加えたい……。
たとえば、「VR(バーチャルリアリティ)」なんかはどうだろう? 近い将来には、視覚・聴覚だけじゃなく、触覚までをも刺激する優れモノにまで進化を遂げる……との噂もある。コレさえあれば、アイドルでも韓流スターでも単体AV女優でもカリスマ風俗嬢でも、かなりの精度で“再現”することが可能になる。ただ一つだけ、難点もなくはない。ヘッドフォンとゴーグルを装着してVRに興じているさまは、端から見ればものすごく間抜けなのである。したがって「VR」というワクチンを投与する際は、「鍵付きの個室」というワクチンも同時に投与すべきであることを、忘れてはならない。