ガンダム顔なのに、おでこに角がないだけで「ガンダム」と呼んでもらえない不遇の3機
ロボットアニメの金字塔『機動戦士ガンダム』シリーズには、さまざまなMS(モビルスーツ)が登場します。なかにはガンダムのような顔をしているのに、おでこに角(Vアンテナ)がないために「ガンダム」の名をもらえなかった機体も……。そこで今回は、ガンダムっぽい顔をしているのに、ガンダムと呼んでもらえない不遇のMSを3機紹介します。
■リ・ガズィ
劇場用アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場したMSで、主人公のアムロ・レイが、「νガンダム」完成までの場つなぎで乗っていたのが、この「リ・ガズィ」です。
「リファイン・ガンダム・ゼータ」の略称であり、『機動戦士Ζガンダム』の主役機だった「Ζガンダム」の、量産化及び簡易変形モデルを目指して開発された機体でした。「Ζガンダム」の量産モデルというだけあり、顔は「Ζガンダム」の角ナシバージョンといった感じ。目は2つありますし、「ガンダム」でお馴染みの口(顎?)の突起物パーツもあります(笑)。
名称が「リファイン・ガンダム・ゼータ」だと考えれば、“「リ・ガズィ」はガンダムである”という解釈になります。ですが、敵対するネオ・ジオン軍のパイロットであるギュネイが、「ガンダムもどき」とこき下ろしていたことで、ファンの間でも「リ・ガズィ」をガンダムとするかは解釈が分かれるところなんですよね。
ただ、「リ・ガズィ」は略称ながら正式名称でもあるため、ガンダムの名を冠していないということで、今回紹介させていただきました。
■シナンジュ・スタイン
劇場用アニメ『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』にて、主役ガンダムと敵対したMSが「シナンジュ・スタイン」。白を基調としたカラーリングで、顔は一言で言うと“角ナシのガンダム”。例の口(顎?)の突起物パーツもちゃんとあります。
さて、この機体、少々ややこしい設定があるんです。そもそも『機動戦士ガンダムNT』は『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の続編的位置づけの作品なんですが、『機動戦士ガンダムUC』には「シナンジュ」という赤いMSが登場します。ですが、その赤い「シナンジュ」の顔はモノアイ(一つ目)なんですよね。
実は『機動戦士ガンダムUC』に登場した「シナンジュ」は、地球連邦軍からネオ・ ジオン残党が強奪した機体で、強奪した際にモノアイにするなどの改修が行われていたそうです。そして、『機動戦士ガンダムNT』に登場する「シナンジュ・スタイン」も、同じときに強奪したものだそうですが、改修されることなく地球連邦軍仕様のままネオ・ ジオン残党が運用していたようですね。
要するに「シナンジュ・スタイン」は、もともとは地球連邦軍の高機能MSであり、顔がほぼガンダムなわけなので、角さえ付けてもらえていれば間違いなく「ガンダム」の名を与えられていたと思うのですが……(笑)。
■ガンイージ
テレビアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場した「ガンイージ」。本作の主役機である「Vガンダム」開発のためのテスト機をベースに開発されたそうで、初期生産として6気が製造されました。要するに、「Vガンダム」の廉価量産モデルみたいなイメージでしょうか。ネーミングも“ガンダムのイージータイプ”から来ているんだと思います。
顔はやっぱり“角ナシのガンダム”で、もちろん二つ目で例の口(顎?)の突起物パーツもアリ。ただしほぼ全身が緑色のため、ガンダム感は薄めです。
この「ガンイージ」は、主に綺麗なお姉さんパイロットたちで構成された「シュラク隊」メンバーたちの愛機となっていました。が、この「シュラク隊」の面々が戦闘中に次々と非業の死を遂げていくので、ファンの間でもあまり良いイメージはないかも……。