「女性の部下と長年不倫関係にあって…」 蛭子能収センセイに人生相談をする人は、なにを求めているのか…考察してみた

人間関係

 

文筆の職に就いて約30年……これまで数えきれないほどの人生相談を読んだりヤッたり、ゴーストライティングしてきたが、そんな私がたった今! 人生相談界史上、最低にして最強のコンテンツに出会ってしまったので、ぜひともこの大いなる感動を、親愛なるcitrus読者の皆さまとも分かち合いたい。

 

ネット版の『女性自身』で好評連載中の『ゆるゆる人生相談』──回答者は「世界一ゆるい70代」のキャッチコピーを売りとする、あの蛭子能収センセイ(72)である。
 

なんでも、今回の相談者(45歳の男性会社員)は「女性の部下と長年不倫関係にあって、先日別れを切り出したら『奥さんにバラして、会社も辞めさせてやる』と脅されている」という。どうすればいいですか? そして、蛭子サンのアンサーを抜粋すれば、以下のようなものであった

 

「オレは不倫をしたことがありません。それは外でエッチするより家なら女房とタダでできるからです」

 

「東出(昌大)さんが不倫をして話題になっていますが、倫理的にどうだとか、奥さんの杏さんがかわいそうとか関係ありません。テレビやCMに出られなくなって収入が減ることが大問題です」

 

「想像力がなく、金銭的にも損失を被る腹づもりがないのなら、浮気なんかしなければいいだけの話」

 

「オレは損をしない道を歩いてきました。でも競輪は別です。大穴狙いがやめられません。本命ばかり狙っていれば、ここまで負け続いていなかったと思います。(中略)どうすればいいですか?」

 

「女房ならタダでできる」「倫理やかわいそうなんて関係ない」「収入が減ること(のみ)が大問題」……どれもこれも、蛭子サン以外の著名人がひと言でも口にしてしまえば最後、山火事クラスの“大炎上”は必至の凄まじいロジックだ。しかも“すでにヤラかしてしまった人”に対する悩み相談にまったくなっていない。さらには、自分の“大穴狙い”の性(さが)を「どうすればいいですか?」と相談し返す始末……。

 

じつのところ、私は過去に一度、蛭子サンにインタビューをしたことがある。たしか「30〜40代のビジネスパーソンが抱えがちな悩みを蛭子サンにぶつける」みたいな企画で、その質問内容も蛭子サンの回答も、もはやキレイさっぱりと忘れてしまったのだが(※キレイさっぱり忘れてしまう私もどうかと思うが…w)、とにかくインタビューを終えた時点で、「ああ…コレ、まとめるの大変そうだな…」と、いささかダークな気分になったのだけは鮮明におぼえている。なぜなら、前出の記事と同様、まったく“回答”として成立していなかったから……にほかならない。

 

ただ、録音したインタビューを文字起こしして、いざ原稿にまとめはじめてみれば、不思議とスラスラ書けてしまった。「蛭子サン(が言ってるん)だからしょうがないわな…」的な一種の“特権”みたいなものも、もちろんあるだろう。しかし、しょせん“ドンズバの的確な正解”を提示することなんて、果てしなく不可能に近い「人生相談」なる禅問答において、蛭子サンの「さり気なく論点をズラしていく」という手法は、もしかすると相当に高度なテクニックなのかもしれない。

 

あと、少なくとも蛭子サンに相談を持ち込むたぐいのヒトたち(※いくつかは編集者が考えているのでは…という疑惑も捨てきれないがw)は、心の底では“解決策”なんぞ1ミリも望んでおらず、蛭子サンの頓珍漢なリアクションから「自分の悩みがいかにちっぽけなものだったのか…」と、ホンのひとときの達観と安堵を得たいのではなかろうか。それにしても、この記事の下にあるヤフコメ欄に真面目な不倫持論を長々書き込んでいるヒトって、一体なんなんでしょうね(笑)。まさに「のれんに腕押し」状態の「虚しい一方通行」ってヤツである?
 

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ネットニュースパトローラー

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

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