パクチーは国によって呼ばれ方が違う? コリアンダーやシャンツァイと同じ植物だった!
■パクチーは世界中で人気?
パクチーと聞いて、タイやベトナムを想像される方は多いと思いますが、実は、原産地は地中海沿岸だと言われており、また、世界中で食べられている香味野菜です。その歴史は古く、古代ギリシャでは、オレンジのような香りのする種子を薬として用いていたと考えられています。
でも、パクチーが入っているのはタイ料理やベトナム料理だけではないかと、疑問に思われるかもしれません。それもそのはず、言語によって呼ばれ方が違うのです。パクチーはタイ語で、これが中国語になるとシャンツァイ、英語になるとコリアンダーという名前になります。
つまり、日本人にも馴染み深いパクチー、シャンツァイ、コリアンダーはすべて同じ植物なのですね。ちなみに日本名はありません。香りや味が嫌われ、生活に浸透しなかったのがその理由だと考えられるようです。
■日本でパクチーが広まったのは?
やはりパクチーといえば、そのオリジナリティ溢れる風味が特徴的ですよね。一口食べて顔をしかめる人も少なくない一方、病みつきになっている人も数多く見受けられます。最近では、そういったパクチー愛好者は「パクチスト/パクチニスト」と呼ばれているようです。
マイナーな存在だったパクチーが、注目を集め始めるようになったのは2000年代半ば。2005年には、パクチーを愛する人のコミュニティ「日本パクチー狂会」が作られ、2007年には、その会長が世界初のパクチー料理専門店を都内に開いたことで、多くの人が関心を寄せるようになり、徐々に広まっていったそうです。
このような経緯を辿って、パクチーは日本で受け入れられていったわけですが、それ以前からコリアンダーという呼び名で、実や葉を乾燥させたものがスパイスとして用いられてきました。市販のカレールーなどにも、パクチーの種子が使われているそうですよ。
■パクチー山盛りは日本独自の文化!?
パクチー好きの間では、サラダやスープといった料理に、パクチーを山盛りに乗せて食べることが当たり前となっているようですが、パクチーの本場であるタイでは、やや事情が異なる様子。
なんでもタイにおけるパクチーは、日本におけるパセリやシソのような食べ物だそうで、パクチーが苦手なタイ人も少なくないとのこと。あくまでも脇役であり、香りづけや彩りのために加えられるのが普通で、山盛りにすることはないそう。日本でのパクチーの愛され方は、少し変わっているのかもしれませんね。