「たとえ素手でも任務はやり遂げてみせる」ガンダムシリーズの渋オヤジによる“いぶし銀の名台詞”3選

コラム

TND幽介

 

40年以上も愛されてきた『機動戦士ガンダム』シリーズ。本シリーズには戦場を生き抜く若者を導き、ときに壁として立ち塞がってきた“激渋オヤジキャラ”が数多くいる。今回はそんなオヤジたちの台詞をピックアップ。

 

 

■ランバ・ラル:「たとえ素手でも任務はやり遂げてみせる!!」

 

まずは『機動戦士ガンダム』より、地球で主人公アムロが激突した“青い巨星”ことランバ・ラルの名言を推したい。

 

豪胆で仲間思い、敵ながらアムロにとってある種の父親的道しるべになったと言われることもあるランバ・ラル。ラルは父親がダイクン派に属していたこともあり、彼らを謀殺し権力を握ったザビ家が支配していた当時、出世街道からは外されていた。

 

アムロたちとの戦闘の最中、新型モビルスーツ(以下MS)のドムの補給をマ・クベ大佐に反故にされたラルは、この「たとえ素手でも任務はやり遂げてみせる!!」という言葉を言い放ったのである。いつも万全で戦えるのが人生ではない。だが、どんなときも“戦うという意志”だけは研いでおく。まさに職業軍人たるラルだからこその名台詞だろう。

 


 
■ノリス・パッカード:「アイナ様、合流できそうにありません。自分は死に場所を見つけました」

 

次は1996年から公開が始まったOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』において、、屈指の渋キャラであるノリス・パッカード大佐の台詞を紹介したい。

 

本作のヒロインであるアイナ、そして彼女の血筋であるサハリン家に忠誠を誓った男・ノリス。物語のクライマックス、負傷兵を宇宙に帰そうと奮闘するアイナたちのために、単身敵陣に乗り込み、まさに鬼神ともいうべき活躍を見せる。

 

しかし、アイナの想い人であり連邦軍人である主人公のシローは、がむしゃらにノリスに食らいつき、戦況は一騎打ちの様相を呈してくる。そしてシローを好敵手と見込んだノリスは、この「アイナ様、合流できそうにありません。自分は死に場所を見つけました」という台詞を吐くのである。あえてシローの懐に飛び込み、自機を真っ二つにされながらも、遠距離砲撃ができるガンタンクを撃破し、負傷兵たち脱出のための安全を確保したのだった。泣き言一つ言わず、誰かのために孤独に命を投げ打つ――いぶし銀の名台詞である。

 

 

■東方不敗マスター・アジア:「そんなことでは、悪党のわし一人倒せんぞ、このバカ弟子がぁ!」 

 

最後に紹介するのは、ガンダムシリーズでも異色の熱血闘魂アニメとなった1994年のTVアニメ『機動武闘伝Gガンダム』から、主人公の師匠であり、ラスボスでもある東方不敗マスター・アジアの名言だ。

 

コロニー国家間がガンダムを持ち寄り、世界の覇権を「ガンダムファイト」と呼ばれる格闘大会で争っている世界。ネオ・ジャパン出身のドモン・カッシュは、紆余曲折の果て、科学者だった父の発明を悪用し、人類を滅ぼそうとするかつての師マスター・アジアと最後の決戦に挑むことになる。

 

互いに究極奥義を打ち合う激しい戦いの最中、思わず膝をついてしまうドモン。そんなドモンにマスター・アジアは、この「そんなことでは、悪党のわし一人倒せんぞ、このバカ弟子がぁ!」というセリフをぶつけるのである。たとえ立場や思想は違う敵同士で、自分は彼が乗り越えていく踏み台であったとしても、立ち上がり飛び立っていく教え子に喝を入れる――敵であるよりも前に“師匠”であろうとした男の名言と言えるだろう。

 

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