【ガンダムシリーズ】ラン・バ・ラル、マ・クベ、ジェリド・メサ…散り際のセリフ、覚えてる?
苛烈な戦闘で次々とキャラが命を落とすのも『機動戦士ガンダム』シリーズの見どころだが、なかには、かなり印象的かつ個性的なセリフを残して散っていった者も……。今回はそんな猛者たちの“散り際のセリフ”をピックアップ。
■ラン・バ・ラル:「見ておくがいい。戦いに敗れるとは、こういうことだ!」
まずは、『機動戦士ガンダム』より、主人公アムロ・レイが地球で戦った歴戦の猛者、“青い巨星”の異名を持つジオン公国軍大尉ラン・バ・ラルだ。
地球圏の砂漠地帯で、アムロのいるホワイトベース隊と幾度にわたる戦闘を繰り広げたラン・バ・ラル隊。しかし、ジオン公国を率いるザビ家内の政治的駆け引きの煽りを受け、十分な補給を受けられぬまま、決死の白兵戦を挑むことになってしまう。
次第に追い詰められたラルは最後、ホワイトベースのクルーが見守るなか、「見ておくがいい。戦いに敗れるとは、こういうことだ!」というセリフを吐き、手榴弾を胸に飛び降りて最後を迎えたのである。
ちなみにこのセリフは劇場版。TV版では「君たちは立派に戦ってきた! だが兵士の定めがどういうものか、よく…見ておくのだな」となるのだが、どちらも覚悟を持って挑む“戦場”の厳しさを、若者たちの心にまざまざと刻んだ名台詞だろう。
■マ・クベ:「ウラガン…あの壷をキシリア様に届けてくれよ! あれはいいものだ!」
次は、同じく『機動戦士ガンダム』より、ジオン公国軍屈指の策謀家であり、モビルスーツのパイロットとしてもアムロを追い詰めたマ・クベ大佐の散り際セリフだ。
突撃機動軍の大佐であり、ジオンが占領した地球の採掘施設オデッサ基地の司令官を務めていたマ・クベ。キシリア・ザビの腹心として、南極条約で禁止されていた水爆ミサイルを放つなど、非道かつ狡猾な男としてホワイトベース隊に何度も立ちはだかってきた。と、同時にたびたび骨董品を愛でるシーンが描かれており、悪役的側面以外の一面を垣間見せていた人物である。
そんな彼は宇宙に上がったのち、テキサスコロニーで「ガンダム」を討ち取ろうと自らモビルスーツ「ギャン」に乗り込みアムロに決闘を挑んでくる。しかし力の差は歴然であり、胴体を真っ二つにされて最後を迎えた。その際に放った「ウラガン…あの壷をキシリア様に届けてくれよ! あれはいいものだ!」は、戦いと一切関係ない、自分の趣味とキシリアへの忠誠をうかがわせるもので、強烈なインパクトを残したのである。
■ジェリド・メサ:「カミーユ…! 貴様は俺のぉ…!」
最後は、『機動戦士Zガンダム』から、物語当初から主人公カミーユ・ビダンを追い続けた不運の男、ジェリド・メサ中尉を推したい。
一年戦争後、地球圏などに残ったジオン残党の総統を目的に設立された地球連邦軍のエリート部隊「ティターンズ」。スペースノイドへの弾圧も行なうなど、かなりダークかつ幅をきかせていた組織なのだが、そこに所属するジェリドも物語初期は、かなり自信たっぷりの振る舞いを見せていた。しかし、カミーユの名前を何の気なしにバカにし、公衆の面前でカミーユに殴られたことから、その運命が狂っていくのだった。
戦いの師でもあった連邦軍のライラ、友人のパイロット・カクリコン、同僚であり恋人のマウアーと、次々の大切な人をカミーユに殺されていくジェリド。とことん辛酸を舐め続け、最後も「Zガンダム」にあっさりと撃墜されながら、「カミーユ…! 貴様は俺のぉ…!」との言葉を残し散っていったのである。最後の台詞すら言い切れない、切なさにじむ名言だ。