「子どもは新入りの後輩だと思って接しましょう」子連れテレワークを快適にやりくりする心理メソッドはコチラです
■子連れテレワークは「新入社員を抱えた先輩」の気持ちで
“緊急事態宣言”が5月末まで延長され、長引く「休校」と「テレワーク」の両立に悩む親御さんが多くいらっしゃいます。リビングでパソコンを開けば子どもが寄ってきて「いつ終わる?」と話しかけられる……。子どもの課題に丸つけをしていると仕事が進まない……。
学校で教えるはずの勉強が、突然「家庭学習」となってしまったのですから、親は「家事」「育児」「仕事」に加えて「先生」の役割をこなさなければならないのです。しんどくないはずがありません。ついつい子どもに「あっちに行ってて」などときつく当たってしまって後悔するのは、親子ともツライものです。
そんな子連れテレワークを少しでも快適にやりくりする方法を、今日は心理学のメソッドも生かしながら考えてみたいと思います。
■「新入りの後輩」になら、優しくできる
ポイントの1つが、わが子を「新入りの後輩だ」と思って接することです。家族だから、わが子だから、と思うと、つい「これくらい分かってほしい」という期待の芽が生まれてしまいますが、「1人の別個の人」とクールにとらえることで、実は心理的には「冷静さ」と「優しさ」が生まれやすくなります。しかも、「新入りの後輩」なのですから、期待どおりに行動してくれなくても仕方ない、ですよね。緊急事態を一緒に乗り越える“小さな同士“と考えてもいいでしょう。
■「後輩」とのスケジュール合わせはしっかりと
仕事をお持ちの親御さんにとっては、チームメンバーとの「スケジュール合わせが肝心」なのはよくご存じでしょう。子連れテレワークも同じで、「勉強の時間割」と「仕事の時間割」を事前にすり合わせておくことが大切です。
例えば我が家の場合。新中1の息子は「午前中に数学と英語。午後は理科と社会」などとざっくりした時間割を作ります。そのうち、1人でできるものと、親の手助けが必要なものを洗い出し、「1人でできるもの」を極力まとめます。その時間帯を私は仕事時間にあて、執筆やテレビ番組向けのコメント準備等を集中的に行うようにしています。
子どもが低年齢ですと、なかなか「1人で」が難しいですから、「漢字」や「計算ドリル」「学習動画」「英語のDVD」など、基礎的で取り組みやすいものを用意すると良いでしょう。決まった時間にテレビ会議などがある場合は、子どもの目を見ながら「○時から○時まではお母さんは仕事をするね」と丁寧に説明しておくことも大切です。大好きなお父さんお母さんのために協力しよう、という気持ちは、子どもたちの中に必ずあるはずです。
■目標達成の「7割」でいい 子どもには「5割増し」でほめる
とはいえ、子どもが「ねぇねぇ」と話しかけるのは仕方ないことです。子どもは子どもで、慣れない家庭学習に戸惑い、友だちと会えない寂しさを抱えています。ですからテレワーク中は「そもそも集中できないもの」と割り切る心構えが救いになることもあります。
家庭学習が予定どおり進まなくても、自分や子どもを責める必要はありません。そもそも「目標の7割達成できれば充分」くらいに思って、一日の終わりには「きょうはこれが出来たね」と親子で「出来たこと」を言葉にしてみてください。小さな自信を重ねることが、ストレスを克服する力を育ててくれます。
もう1つ。家庭学習を頑張った子どもは、いつもの5割増しでほめてあげてください。家にこもっている間は特に、親の言葉の影響は大きく、子どものココロの育ちに直結します。それに、ほめていると、親の方も、なんだか気分がよくなってくるものです。
「巣ごもり」による感染拡大防止は、それぞれの家庭に大きな負担をかけて成り立っています。企業も社会もその実情を理解した上で、両立に奮闘する全国の親御さんを温かく支えて頂ければと思います。