【意外すぎる日本生まれの料理】え、「ドリア」はイタリア料理じゃないの!?

コラム

後藤拓也

 

 

日本生まれの料理と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。寿司に天ぷら、そば、うどんといったあたりが一般的だとは思います。が、それ以外にも、びっくりするほど意外な料理が日本で誕生しているのです…!

 

 

■中華料理じゃないの!? 【天津飯は日本生まれ】

 

初めにご紹介するのは、いかにも中華料理という名前の「天津飯」。実はこれ、日本で誕生した食べ物なのです。

 

そもそも中国では、ご飯とおかずは別々に食べるのが一般的とのこと。おかずをご飯の上に乗せた「蓋飯(ガイファン)」や、汁気を含んだ炒め物をご飯にかけた「燴飯(ホイファン)」といった料理はありますが、あくまでもこれらは簡易メニュー。さっさと食事を終わらせたいときの食べ方なので、通常の食事でこうした料理は出されないそうですし、もちろん本格的な中華料理でもないのだとか。

 

さて、ここからが本題。天津飯誕生のルーツには、有力な説が二つあります。

 

その一つが東京説。醤油ラーメンの草分けとして有名な東京の中華料理店「来々軒」に、あるとき、早く食べられるものを求める客が来店したそう。その要望に応え、ご飯の上にカニ玉を乗せ、酢豚のあんをヒントにした醤油あんをかけて、“天津丼”として提供したのが始まりだと言われているそうです。

 

もう一つが大阪説。大阪の「大正軒」という中華料理店の店主が、中国天津市の庶民的な食習慣だった「蓋飯」を参考に、同じく天津でよく獲れていた渡り蟹を入れたカニ玉をご飯に乗せ、上からあんをかけた“天津飯”を売り出したというものです。

 

関東では“天津丼”、東海以西では“天津飯”という名前で呼ばれることが多いため、どちらかが発祥ということではなく、同じ時期に東京で“天津丼”が、大阪で“天津飯”が生まれたというのが有力なのだそうですよ。

 

 

■イタリア料理じゃないの!? 【ドリアは日本生まれ】

 

1927年、日本の海の玄関口である横浜の地に開業したホテルニューグランド。伝統あるこのホテル発祥の、洋食メニューが数多くあることをご存じでしょうか。

 

その一つがドリア。ホテルニューグランドの公式サイトによれば、初代総料理長を務めていたサリー・ワイルは、メニューに「コック長はメニュー外のいかなる料理にもご用命に応じます」と記載していたとのこと。するとある日、ホテルに宿泊していた銀行家から「体調が良くないので、何かのど越しの良いものを」と要望されたそうです。

 

これに応えて即興で作り出したのが、バターライスに小エビのクリーム煮を乗せ、その上からさらに、グラタンソースをかけてチーズを乗せて焼き上げた料理。これが好評を呼んだことから、全国のレストランなどに広まり、「ドリア」として親しまれる料理になったのだとか。

 

ホテルニューグランド発祥のメニューは、他にもあります。トマトケチップで和えたスパゲッティを食べる米兵を見て、2代目総料理長・入江茂忠が生み出した「スパゲッティ ナポリタン」。また、アメリカ人将校の夫人を喜ばせるために、当時のパティシエが作り出した「プリン・ア・ラ・モード」もその一つ。それぞれに興味深い誕生物語があるので、気になった方はぜひ調べてみてください。
 

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