部下のやる気は "目の動き" で見抜く 元新聞記者が教える「相手の心を読み取る」方法とは
コロナ禍でのコミュニケーション術。前回は目の動きで自分の思いや気持ちを伝える方法を書きましたが、今回は目の動きで相手の心をどう読むか、そのやり方をいくつか取り上げます。
私は、35年にわたりアスリートを取材してきましたが、まず、「右目で相手の右目を見る」ことによって、相手の話を聞く態勢をつくり、相手から話を聞き出しました。そして、以下のやり方を使って相手の心をつかむことに成功しました。
実は、このやり方のいくつかが警察の取り調べでも使われています。それこそ真実味があるといっていいでしょう。上司が部下のやる気や不安を見抜くとき、パパやママが子供のホントやウソを見分けるときには持ってこいのテクニックです。
まず「視線が(正面から見て)右上にあれば、本当のことを言おうとしている」です。正面から見て、相手が右上を見ているときは、「何かを思い出そうとしている」といわれています。右上を見るとは、記憶を司る左脳を働かせることであり、記憶を探って本当のことを言おうとしている状態といえます。
逆に「視線が(正面から見て)左上にあれば、ウソをつこうとしている」ことになります。正面から見て、左上に視線がいく場合は、「何かを考えだそうとしている」といわれています。左上を見るとは、創造を司る右脳を働かせているので、ウソをつこうとしている状態といえるのです。
この視線の違い(位置)だけでも相手の心が見えてきます。たとえ、マスクをしていても関係ありません。本当のことを言おうとしているのか、ウソをつこうとしているのかがわかれば、そこからの対応の仕方も変わってきますよね。
「相手のまばたきの回数と不安感の強さは比例する」ことも重要です。平均的なまばたきの回数は3秒に1回、1分間に20回程度といわれています。しかし、不安や緊張を感じたときは、ドーパミンが活性化するため、回数が多くなってくるもの。つまり、「視線が(正面から見て)左上にある」と同様、ウソをついている可能性が高く、取り調べも重要なポイントになります。
「興味のあるものの前では、目の見開き度が大きくなる」ことも覚えていて損はないでしょう。人は興味の対象となるものを前にすると瞳孔がどうしても開きます。瞳孔の動きは意識的にコントロールすることはできず、ウソをつけないためです。試しに彼女(彼氏)にプレゼントを渡してみてください。そのプレゼントを見た彼女(彼氏)の目が見開いたら、喜んでいると思ってください。逆に目を細めたら、その答えは……おわかりですよね。