【地獄先生ぬ〜べ〜】トラウマ級ホラーエピソードの中の癒しキャラ 居てくれてよかった…善の妖怪たち
累計発行部数2000万部を超え、アニメ化、テレビドラマ化も果たした人気漫画『地獄先生ぬ〜べ〜』。童守町に巣食う怪異から生徒を守る霊能教師・鵺野鳴介ことぬ〜べ〜の活躍を描く本作。凶悪な妖怪が印象深い本作だが、なかには善行を積む奇特な妖怪も存在する。
■座敷わらし/周囲に幸せをもたらす小さくキュートな妖怪
まず紹介するのは、第20話「幸せを運ぶ少女の巻」で登場した妖怪・座敷わらしだ。とある日の休日。町を歩いていたぬ〜べ〜は、物陰でニコニコと微笑む小さな人形サイズの黒髪の少女を発見する。着物に雪駄姿の無口な少女を見て、ぬ〜べ〜はその正体に気がつく。
それは、家から家を渡り歩いて人間を幸福にする妖怪の座敷わらし。座敷わらしは、塩せんべいをくれたぬ〜べ〜に懐いて学校にまでついてきてしまい、その能力で生徒たちを次々と幸せにするのだが、それにかまけて努力を怠る生徒たちを見かねたぬ〜べ〜は、苦渋の思いでよそに行ってくれるように頼むのだった。
泣きながらその場を去った座敷わらしだったが、その日の夕方に、ぬ〜べ〜の教え子の広が交通事故に遭いかけると再び出現。能力を限界近くまで使って広を危機から救うが、力尽きたように消えていってしまった。しかし、なんとか生き残っていたようで、ラストシーンではぬ〜べ〜の塩せんべいを嬉しそうに一つ盗んでいた。
■ケサランパサラン/おしろいで増えて人の願いを叶えてくれる不思議な存在
次は、第114話「幸福のケサランパサランの巻」で登場したケサランパサランだ。時はクリスマス。5年3組のムードメーカーの美樹は、偶然ケサランパサランを手に入れる。ケサランパサランは、体長3cmほどの白い綿毛のようなふわふわと浮かぶ物体。瓶におしろいと入れると分裂して増え、自らの消滅と引き換えに人の願いを叶える存在だった。
早速おしろいで増やし、素っ頓狂な願いを叶えていた美樹。これに味を占めた彼女は、大量のおしろいでケサランパサランを増やす転売計画を思いつく。だが美樹は、高層ビルの化粧品売り場におしろいを買いに行った際に、偶然ビルのガス爆発事故に遭遇してしまう。
不運にもその場に居合わせていたぬ〜べ〜たちが絶体絶命の危機に陥ったことを知った美樹は、持ってきていた数匹のケサランパサランに皆の無事を願うも、数が足りず失敗。だが絶望して買い込んだおしろいをぶちまけたことで奇跡が起こる。なんとおしろいが風に乗り、辺りにいたケサランパサランが大量に増殖。ぬ〜べ〜たちの危機を救っただけでなく、町中に降り注ぎ、クリスマスに人々を幸せにする奇跡を生んだのだった。
■男鹿桃太郎/普段は冴えない新聞記者……だがその正体は!?
最後は、第210話「師走!なまはげ現る!の巻」に登場した男・男鹿桃太郎を紹介したい。男鹿は集英新聞という新聞社に務める新聞記者。細身の体型に瓶底眼鏡という出で立ちの青年で、熱心なのだがどうにも間が抜けており、社内では間抜け扱いされている。
そんな男鹿とぬ〜べ〜たちは、大晦日に邂逅を果たす。パーティーのため買い出しに出かけていたぬ〜べ〜たちは、1万円札を川に落としてしまうのだが、そこに男鹿が現れ、川に飛び込んでお札を取ってくれたのだ。その後も、少々“奇妙”なほど自らの危機を顧みず人助けをする男鹿。鬼特有の妖気まで発する彼に、ぬ〜べ〜はただならぬ思いを抱く。
そんなぬ〜べ〜一行は、期せずして町に潜伏していた連続殺人犯に拘束されてしまう。すると再び男鹿が現れ、突如として真の姿を露わにする。その正体は人間を愛して地上に住むようになった正義の鬼族・なまはげの青年。歌舞伎のくまどりをしたような姿のなまはげは、瞬く間に殺人犯を懲らしめ、その命まで奪おうとするも、ぬ〜べ〜の説得で殺生まではせずに姿を消すのだった。