『スラダン』の名言「あきらめたらそこで試合終了だよ」は井上先生のその後の作品でも登場していた!?

コラム

citrus 二階堂銀河

 

 

アニメも大人気で、国内累計発行部数が1億2000万部以上という驚異的な記録を打ち立てているバスケ漫画『スラムダンク』。不良だった赤髪のバスケ初心者・桜木花道が、湘北高校バスケットボール部に入部し、強豪校のライバルらと対戦しながらメキメキと頭角を現していく物語に、多くのファンが魅了されたものです。

 

そんな『スラムダンク』で登場する「あきらめたらそこで試合終了だよ」という台詞は、ファンなら誰もが知る名言ですが、同じ作者の『リアル』『バガボンド』にも、実はこの名言と非常に似た台詞が使われているのです。

 

 

 

 

■『スラダン』: 「あきらめたらそこで試合終了だよ」

 

 

『スラムダンク』と言えば、数多くの名言が生み出された人気漫画。なかでも、三井の恩師・安西先生の名言「あきらめたらそこで試合終了だよ」は、強く記憶に残っているというファンも多いのではないでしょうか。

 

 

実は、この名言に非常に似ている台詞が、作者・井上雄彦氏の後の連載作となる『リアル』『バガボンド』でも登場するのです。それは一体どのような文脈で出てくるのでしょうか。では、それぞれ作品ごとにご紹介していきます。

 

 

 

 

■『リアル』:「あきらめたらそこで終わりだって昔誰かがいってたぜ!!」

 

 

『リアル』は、車いすバスケを題材にした作品。その作中で出てきた台詞は「勝負は最後まで分からんぞ!! あきらめたらそこで終わりだって昔誰かがいってたぜ!!」。これは、主人公のひとり・戸川が属する車いすバスケチーム・タイガースのメンバーである金子が、ある試合の終了間際に叫んだ台詞です。

 

 

そのときタイガースは、格上チーム相手に劣勢のまま残り時間5分を迎えていました。そして、戸川が追い上げの意気込みを燃やすタイムアウト中に、タイガースは内輪もめをしてしまいます。それは、闘志のないチームメイトが“勝ちにこだわったところでしょせん障害者スポーツ”と腐し、戸川らの勝利への意志を挫こうとしたことが発端でした。

 

 

しかし、その一言がきっかけで、結果的にタイガースはより結束が強まることに。戸川をはじめチームメイトたちは闘志に燃え、円陣を組みながら金子が、「勝負は最後まで分からんぞ!! あきらめたらそこで終わりだって昔誰かがいってたぜ!!」と言い放ち檄を飛ばします。

 

 

もしかしたら金子は『スラムダンク』を読んだことがあったのかもしれません。結果的に試合には負けてしまいますが、チーム一丸となったその経験は次の一歩に繋がっていくのでした。

 

 

 

 

■『バガボンド』:「あきらめたらそこで闘いは終わりだ 剣を手放せる」

 

 

一方で『バガボンド』は、江戸時代初期の剣豪・宮本武蔵の成長を描いた漫画。そんな作品で出た台詞は「あきらめろ あきらめたらそこで闘いは終わりだ 剣を手放せる」というもの。これは、迷いと躊躇いのなかにいる武蔵が、とある人物に言われた台詞です。響きは安西先生の言葉と似ていますが、意味は真逆。さて、どういった文脈で使われたのでしょうか。

 

 

剣豪として全国に知られるようになった武蔵は、なおも強さの答えを探す旅の途中、ある仏彫師と出会います。武蔵はそこで“剣で命を奪い合う”ことを“狂ってる”と言い表します。仏彫師は“狂ってなくてはやれないことをなぜ続ける?仏彫を教えるからここに留まれ”と提案しますが、“答えを見つけるために本当に強い人間と闘いたい”と武蔵は拒否します。

 

 

さらに続けて “そうでなければ剣を振って生きてきた甲斐がない”とまで言いきる武蔵に、仏彫師は「あきらめろ あきらめたらそこで闘いは終わりだ 剣を手放せる」と言うのです。武蔵は剣を振るなかに希望の光を見出だそうとしていましたが、しかしその一方で、人を斬り、命を奪うことに後ろめたさを抱いていました。その心の内を見抜いた仏彫師。仏彫師の言葉は、果たして武蔵が求める答えの手がかりになったのでしょうか。
 

 

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