只今、お笑い界では「第6.5世代」が大躍進!? この「0.5」の端数に秘められた重要なポイントとは?

コラム

 

まもなくお笑い第6.5世代が第7世代を逆転する日がやってくる!?──そんな内容の記事を『FRIDAY』がネット上に配信していた。

 
ちなみに「お笑い第6.5世代」とは、リサーチ会社『エム・データ』が調査した「年末年始のTV出演ランキング」で、23番組に出演して1位の座を獲得した『チョコレートプラネット』をはじめとする、『和牛』『パンサー』『ジャングルポケット』『かまいたち』『三四郎』『アインシュタイン』『尼神インター』……といった面々のことで、おおよそは昭和生まれの芸歴15年前後の芸人たちを指すらしい。あと、念のため「第7世代」は、『霜降り明星』『EXIT』『四千頭身』『ハナコ』『かが屋』『宮下草薙』……、「第6世代」は『千鳥』『オードリー』『オリエンタルラジオ』……あたりが挙げられる。そして、

 

 
「フレッシュで華やか、勢いがあるので各局で一通り起用されましたが、期待したほど数字が取れませんでした。下積み期間が短いので仕方ないのですが、第一線で活躍している芸人さんたちと比べると、ネタもフリートークも見劣りがする」(放送作家)

 
……と、記事中で指摘されている「第7世代」に代わって、昨今重宝されはじめてきているのが「第6.5世代」なのだという。

 
たしかに、「第6.5世代」と「第7世代」がともに大量出演している『有吉の壁』(日本テレビ系)を観ていても、じわじわと……だが、実力差が露呈されつつあるような気がしなくもない。すでに出世頭は冠番組を多く持ち、“次のステップ”へと上がろうとしている「第6世代」の“熟練”と、「第7世代」の“フレッシュさ”や“華やかさ”、それに“ギャラの安さ”とを兼ね備えるその“中間世代”に、どのメディア関連企業も新型コロナショックの影響で予算削減を余儀なくされているご時世のなか、オファーが集中するのも当然と言えば当然であろう。

 
以前、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でも、みずからを「ビミョーな世代」と自虐していた「第6.5世代」だが、この「0.5」なる端数は「ビミョー」な響きではあるものの、その「兼ね備える」がゆえに生じる特有の「にごり」は、時代の流れやアピールの方法によっては十分にプラスへと作用するとも思われる。ラーメンに置き換えれば「濃厚魚介豚骨系ラーメン」といったところか。

 
世代論で語ると、たとえば今年で満59歳になる1962年生まれの私は、「団塊世代」(1947〜49年生まれ)にも「バブル世代」(1965〜69年生まれ)にも属することができない、いわゆる「ビミョーなテンゴ(=.5)世代」である。一応、かろうじて「シラケ世代」だの「新人類」だの……と、取ってつけたような命名は強引になされているが、「団塊」や「バブル」と比べればかなり印象が薄いネーミングで、その前に「プレ」だとか「プチ」だとか「準」だとかをくっつけておしまい……みたいに処理されるケースも多かったりする。

 
しかし、原稿や雑談で「団塊」や「バブル」の時代について論じる際には、これらを「客観的なスタンス」からディスる側にも擁護する側にも回ることができる。「緩やかな当事者」くらいの振る舞いすらできる。良くも悪くも骨太なカテゴリーの“間”に挟まれながら生きてきた人間は、「機を見るに敏」的な感性に長けており、なかなかにしぶといのだ。

 
そう言えば、かつて松本ちえこが『恋人試験』という曲で

 
「0点なんかじゃ許さない 100点とるひと大嫌い 知っているのに わざと間違える 65点のひとがすき♪」

 
……と歌っていたが、この端数の「5点」も、じつに絶妙な按配をかもし出す、完ペキな“隠し味”なのではなかろうか? 話がややこしくなるだけの引用なんですけどね……(笑)。

 

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