ハセキョーが提言する「大人になって恋愛に執着する人は自分が満たされていない」説は正しいのか?
「ハセキョー」こと女優の長谷川京子(42)が、2月16日に放送された『グータンヌーボー2』(関西テレビ系)に、元フィギュアスケート選手でタレントの浅田舞(32)とエッセイストの犬山紙子(39)とともに出演。そのフリートーク中、私にとってはちょっぴり耳が痛い、こうしたやりとりがあった。
浅田「(10代20代を振り返って、あのころは)恋愛で気持ちを満たしたいっていうのがあったんですかね? 今は仕事が楽しくって」
長谷川「すっごい言い方悪いですよ(と前置きしたうえで)。大人になっても、すごく恋愛に執着する人って、やっぱり自分自身が満たされていない人かな…って、正直思う」
すなわち、
「仕事などで自分自身が満たされている毎日を過ごしていれば、恋愛への執着心も薄くなる」
……といった理屈である。んん〜っ……コレってどうなんだろう? 少なくとも私は人生の優先順位の一位が「恋愛」ゆえ、どんなに仕事や趣味で自分が満たされていようと、「恋したい願望」が下降線をたどることは絶対になく、むしろ恋愛状況が順調であればあるほど比例して仕事や趣味も充実する──これが今までの私の常態的なバイブスであった。
もし、ハセキョーの指摘が正しいのなら、そんな私の半生は仕事や趣味でずっと満たされていないまんまだった……という解釈もできなくはない。「いやいや、そういう話じゃないでしょ!」と、揺るぎない自信をもって反論は……できない。浅田舞が番組中で語っていたように「今は仕事が楽しくて」と心底から実感できた時期が、私には一度もないからだ。
私は現在就いている仕事が、
「好きな仕事」
……だとは断言できないが、
「嫌いじゃない仕事」
……だとは断言できる。「嫌いじゃない」から、やっていて楽しいときだってある。いい原稿やイラストがあがれば、そりゃあ嬉しさもひとしおだったりする。だけど、文章を書いたりイラストを描いたりする行為が、好きで好きでたまらない……とまでのめり込むことができない。だからこそ、いつまでたっても恋愛体質が抜け切らない──還暦間際の、普通の会社員だったら来年定年を迎える年齢になっても、結局「好き」と言える仕事に出会えなかった私は、不幸なのか……?
だがしかし、そのように「大好き」な、「楽しくて楽しくて」を永遠に持続できる「天職」と呼べる仕事に出会える人が、はたして世の中に何%存在するのだろう?
「嫌いじゃない仕事」を、大したストレスを抱えることもなくルーティンでこなし、その空いた時間に恋愛がすっと入り込んできてしまう人生──それはそれで、「幸福」とまではいかずとも、「不幸でもない」とくらいは自己診断できるのかもしれない。