予想に反して意外とハマっていた? 高倉健主演の映画『ゴルゴ13』から妄想する“最新実写版”の理想なるキャスティング

コラム

 

なんと! WOWOWで、あの『ゴルゴ13』の実写版映画が放送されることを知り、ここぞとばかりに録画予約して、さっそくたっぷりと堪能させていただいた。

 
1973年に公開された主演・高倉健バージョン(監督:佐藤純彌)で、日本とイランの合同制作! ストーリーは

 

 
世界的な犯罪組織のボスであるマックス・ボアを逮捕しようとテヘランへ侵入した某国秘密警察が、次々とボアの手先によって抹殺。そこで警察部長のフラナガンはゴルゴにUS50万ドルを支払い、ボア暗殺の依頼をする。ボアの素顔もわからず、居場所もイラン国内としか判明していなかったが、ゴルゴはテレランへと向かう…

 
……といった感じである。

 
コレ、絶対に「一度は観てみたい!」と前々から目をつけていたんだけど、レンタルDVD屋さんに行ってもビデオですら全然貸出してなかったんですよね〜。いくら健サンとはいえ、世界を股にかけた壮大なスケールで描かれる『ゴルゴ13』を演じ切るのは厳しいだろう、その“実写版”ならではのチンケさをとことんまでせいぜい笑ってやろう……みたいな底意地の悪い期待を沸々と抱きながらリモコンスイッチの「再生」を押してみると……けっこう“ちゃんとした作品”としてまとまっていたから、正直ちょっと驚いた。一説によれば、(初期の)『ゴルゴ13』は高倉健をモデルにしたとの噂もあり、だとすれば健サンの角刈りが異様にハマっていたのも十分に納得できる。あえて気になったのは、

 
・設定がら、日本人(らしき人物)はゴルゴ以外ほとんど出演しないので、他の(外国人)登場人物のセリフがオール日本語吹き替えになっていた

 

・ゴルゴが愛煙するトルコ産のトレンド葉巻にシガーホルダーのような物がついていた

・依頼人との交渉シーンで椅子に座っていた(ホンモノのゴルゴはたとえ相手が依頼人であろうと常に臨戦態勢であるため、原則としては壁を背にして立ちっぱなしである)


・身長約180センチ、体重約80キロとされているゴルゴに対し、高倉健はやや線が細すぎる

 

・高倉健の話し口調が多少早口すぎる傾向にある

 
……ことくらいで(けっこうたくさんあるw)、最後の最後まで普通に面白かった。こうなれば、1977年に公開された千葉真一バージョン(『ゴルゴ13 九竜の首』日本と香港の合作)もぜひチェックしてみたいものだが、コイツもまた高倉健バージョン以上に“お宝”なレアモノで、はたして出会える日はいつになるやら……???

 
さて。実現は途方もなく苦難な道のりであるに違いない『ゴルゴ13』の“三たびの実写化”を心から願っているのは、なにを隠そう(別に隠す必要はないのだがw)この私なのであった。作者のさいとう・たかを氏は、2008年に『ゴルゴ13』の連載40周年記念パーティで、

 

 「次に実写化するならば(ハンマー投げ選手の)室伏広治が適任!」

 
……と語っている。おこがましくはありつつも、私もそのキャスティング案には2021年になった今でも猛烈に同意したい。

 
まず、顔が「瓜二つ」と表現して良いほどにクリソツ! さらにはオリンピアンならではの極限まで研ぎ澄まされたマッチョ感に、2008年から10年以上経った程よい加齢感……まさに完璧ではないか! 役者としては素人ゆえ演技力は未知数であるが、近年のゴルゴのセリフは大半が「……」なので、喋るシーンをできるかぎり削って、ただ鋭い眼光を放ちながら黙っていればいい。庵野監督あたりが、ウルトラマンと仮面ライダーの次にチャレンジしてくれませんかね……ダメですか?

 

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