今年、定年を迎えた「リーゼント刑事」が警察内で「ふしだらな外見」と異端視されていたという不思議

コラム

 

読者の皆さまは、ドラマや映画や小説のフィクションでは決してない、「リーゼント刑事」なる警察官が実在していたことをご存知だろうか?

 
「元徳島県警警部」の肩書きを持つ秋山博康さん(61)──交番勤務、機動隊を経て刑事畑へと転属し、県警本部長賞、警視総監賞ほか受賞歴も多数。今年3月に定年退職後、東京に拠点を移し、犯罪コメンテーターとしてテレビ出演や講演活動を行い、さらには自身で開設しているYouTubeチャンネル『リーゼント刑事・秋山博康チャンネル』も好評……らしい。

 
そんな華々しい実績を引っさげて第二の人生を歩む、やたらにキャラ立ちした、かつての優秀な刑事さんのインタビュー記事を『NEWSポストセブン』が配信しており、なかなかに興味深く拝読させていただいた。

 
たとえば、秋山さんがキャリア半ばの2000年に警視庁捜査第一課特殊犯係へと出向したときのこと。

 

 
「警視庁での辞令発令の際、他の捜査員は白シャツに紺スーツでしたが、私はワインレッドのシャツに黒スーツ姿。管理官に『着替えてこい!』と大目玉を食らい、部内報の『捜査一課だより』にも“出向者でふしだらな服装の者がいた”と書かれてしまいました」

 
当時の警視庁管内では重大事件が多発。こうしたなか、秋山さんは専門的知識を要する大規模事故の捜査にもあたり、日比谷線脱線事故では保線区長の、日航機駿河湾上空ニアミス事故では機長の取り調べという重要任務をこなし、両者から供述を引き出したという。

 

 
「出向後3ヶ月で結果を出し信頼を得ると、管理官は私をよく官舎に招き、晩ご飯をごちそうしてくれました。見た目で判断されないよう、私は人の10倍、20倍の仕事をしてきた自負があります。仕事で認めさせ、警察では異端視されるリーゼントスタイルを守るという気持ちも強かった(笑)」

 
……と、秋山さんは苦笑を混えながら語っている。とてもいい話ではないか。だがしかし! 私にはどうしても胸の奥につっかえたまま取り除けない素朴な疑問が、一つだけある。

 
はたして、刑事の世界では本当にリーゼントスタイルが「ふしだら」と異端視されてしまうのだろうか?

 
なにを隠そう、私は普通の人だと「一生に一度されるかされないか」くらいの確率でしかないはずの“職質”を、なぜか過去20回以上もされたことがある経験を持つ男で(※それもなぜかパチンコで爆負けしてしまい、うつろな目つきで街を彷徨っているときとかが大半だったりする。警察官の“選球眼”もダテじゃないってことだw?)、5年ほど前、私が池袋の地下街を歩いていた際に、いきなり私の肩をつかみ「ちょっとお時間いいですか〜?」と警察手帳を差し出してきた若者は、ベースボールキャップを被った茶髪ロン毛で、赤いパーカにダボダボのジーンズを腰ばきしたナイキスニーカーのB-BOY風のチャラ男であった。

 
15年ほど前に、近所で殺人事件があって、私の自宅に聞き込みに来た刑事さんは、黒いスーツに上の前歯が全部金歯というディープなラッパーも顔負けのインディペンデンス・スタイル! あと、テレビでたまに観る暴力団事務所のガサ入れとかは、どのヒトがヤクザでどのヒトが刑事なのか……よくわからない。

 
「刑事らしく見えないこと」や「見た目のおっかなさ」が職務上、有利に働くことだってあるのかもしれない。が、いずれにせよ、こうも“個性派揃い”な面々と比べれば、「リーゼント刑事」はまだまだ可愛い部類なのではないか? それとも「リーゼント」には、どこか特別な反社会チックなアイデンティティを示唆する記号的な意味合いでも含んでいるのか? ベイスターズの三浦大輔監督だったらOKなのに……? とりあえず「リーゼント刑事」という字面と語呂は完璧だとは言っておこう。最後に、念のため……「刑事」は必ず「デカ」と呼ぶように!

 

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