新庄ビッグボスの「ファンから愛される選手になりたい…じゃダメ!」論に猛烈な共感をおぼえると同時に、ちょっと困ってもしまった今日この頃の私…?

コラム

 

北海道日本ハムファイターズの「ビッグボス」こと新庄剛志監督が、12月5日に北海道広島市で行われた新入団選手の記者会見で各選手が語った抱負を受けたのち、贈ったいくつかのアドバイスがネット上で話題になっている……らしい。

 

まずは、新入団選手全員に向けて

 

「アピールが甘い! 1年間二軍ですね、これは」

 

……と、笑いを混じえながらもピシャリ! なかでも、もっとも "トピックス" となっているのが、とある選手による「ファンから愛される選手になりたい」という言葉への

 
 

「ファンに愛される選手になりたいじゃなくて、そのために自分がファンを愛すことが一番大事なんで、そのへんは頭に入れてお願いします」

 

……なる意見で、この "金言" に対し、ツイッターでは

 

「的を射ている」

「そうなんだよ。与えるのが先なんだよ」

「本当にどの世界にも共通して言えることだよね」

 

……ほか、称賛のコメントが続々と寄せられているという。

 

プロ球団の監督がいきなり新入団選手のコメントにダメ出しを入れる……なんてケースはまさに前代未聞ではあるものの、たしかに「どの世界にも共通して言える」──プロ野球選手だけにかぎらず、誰もが今一度あらためて戒めるべき、素晴らしくも耳の痛いお言葉であることに間違いはない。

たとえば、これを私のような文筆家に当て嵌めてみると、一体どういうことになるのだろう?

 

「読者に愛されるコラムニストやライターになりたいじゃなくて、そのためには自分が読者を愛すことが一番大事」

 

……みたいな感じか? つまり、

 

「自分が主張したいことを自由奔放に書き殴って、どや! むっちゃええこと言ってるやろ!? だからもっとオレに注目してや〜……と独り善がる前に、読者が読みやすい、自分の伝えたいことを正確に伝えることができる文章を心掛けよ!」

 

……と、そんな風に私は勝手に意訳する。(だとすれば)まったくもってそのとおりだと思う。我々プロの文筆業者は、自身のアイデンティティを脳内でどんどんと膨張させていく作業以前に、とにもかくにもわかりやすく、心地よいリズム感をもって我々書き手が意図する問題提起や情報提供を、読者がストレスと誤解がなくクリアに理解できるフィールドを構築しなければならないのだ。それこそが「まず読者を愛す」ということなのではなかろうか。

 

だがしかし! このビッグボス・ロジックを100%「正解」としてしまえば、ゴメス的には少々整合性がつかない案件が一つある。先日、ここcitrusに寄稿したコラムで、私は

 

中高年の婚活は「自分は選ぶ側ではなく、選ばれる側であると自覚すべき」、すなわち「自分が好きな女性ではなく、自分を好きになってくれた女性を選ぶべき!」

 

……と、書いたばかりで、いわばビッグボスとは真逆のことを啓蒙しちゃっているのだ。なので、今日はこの場を借りて、前出の放言を以下のように微修正しておきたい。

 

「自分が気になる女性ではなく、自分を気にとめてくれる女性を選ぶべき!」

 

そして、いったん「選んだ」なら、とりあえずはその相手をまずとことん愛すべき! こうやって反省すべきことはきちんと反省して、けろっと前言撤回する "素直さ" もプロの文筆家には意外と必要な資質なのかもしれない?(自画自賛w)

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