劇場版『ドラえもん』のジャイアンは良い人キャラに変わるけど…スネ夫は?

コラム

citrus 文月

 

劇場版『ドラえもん』では、キャラクターの性格が普段と微妙に異なることは有名だ。スネ夫の場合は“ヘタレ化”が顕著だが、同時に思わず見入ってしまう活躍も多く用意されている。そこで、今回は劇場版のスネ夫の活躍シーンを3つピックアップ。

 

 

■本作でメカニックとしての役割が確立!/『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』

まずは、2022年にリメイク作が公開される1985年公開の『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』から、スネ夫の名シーンをご紹介。本作でドラえもんたちは、地球人の指ほどの大きさしかない生物が住むピリカ星を舞台に、星を支配する独裁政府と戦っていくことになる。

この作品でスネ夫は機械いじりのスキルを存分に見せつけた。序盤ではラジコン戦車を何台も仕上げ、さらに1度に5台操縦するなど操縦士としても非凡なる才能を発揮。その実力は敵側の司令官・ドラコルルがスネ夫のことを、“地球の軍事研究の第1人者”だと勘違いしたほどであった。

だが、スネ夫の活躍はまだまだ終わらない。ドラえもんたちと協力関係にある同盟軍のアジトに、何万人もの独裁政府の軍隊が押し寄せてくる物語の中盤。スネ夫はあまりの戦力差に恐怖を覚えて戦意喪失してしまうのだが、しずかが勇気を振り絞って戦車で敵に乗り込む姿を見て、ハッと我に返る。“女の子ひとりを危険な目に遭わせるわけにはいかない”。スネ夫は覚悟を決め、敵との決死の戦いに臨んでいく。普段ヘタレな振る舞いが目立つスネ夫だからこそ、よりその男気が印象的に映るシーンと言えるだろう。

 

 

■彼の疑心暗鬼が物語のきっかけに!!/『ドラえもん のび太と竜の騎士』

次は、1987年に公開された『ドラえもん のび太と竜の騎士』から、思わずスネ夫に同情してしまう物語序盤のシーンをピックアップ。冒頭でのび太から“地球に恐竜は生き残っている”と言われたスネ夫は、ジャイアンとともに“恐竜なんていない”とのび太を一蹴する。だが、のちに多奈川の近くで巨大な未確認生物を目撃。そのフォルムからそれが恐竜なのではという疑念が彼をさいなみ、スネ夫はノイローゼのような状態に……。

その後、ドラえもんの道具「どこでもホール」を使って地下の大空洞を発見した一行。このとき、不運にも自分だけ恐竜の群れを発見してしまったスネ夫は大騒ぎ。恐竜がいたことを一向に報告するのだが信じてもらえず、むしろ「恐竜が絶滅したってのはお前が言ったんだろう」と言われてしまうのである。

もはやのび太以上に恐竜の存在に取り憑かれてしまったスネ夫は、単身カメラを持って恐竜を撮影しようと試みるが、そのまま迷子になり一行から離れてしまう。結局スネ夫は、地下にいた恐竜たちの末裔・恐竜人たちに救出され、それが本作の冒険に繋がってゆくのだった。妙に緊迫するスネ夫の心理描写が観客の心をグッと物語に引き込む名シーンだ。

 

 

■期せずして地球壊滅の危機を招く!?/『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』

最後は、2003年に公開された『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』で敵に乗っ取られてしまったスネ夫について解説していこう。本作でドラえもん一行は、風の民の村と対立する嵐族という一派の陰謀を止めるべく奮闘することになる。

物語冒頭で台風の子ども・フー子にラジコンを破壊されてしまったスネ夫は、ジャイアンと一緒にフー子を自分のペットにしようと企む。物語が進み風の民の村に向かった後も、スネ夫は隙を狙ってはフー子を奪おうと画策。だがそんな行いのバチが当たったのか、なんとスネ夫は古代の嵐族の族長であるウランダーに取りつかれてしまうのだった。

スネ夫を乗っ取ったウランダーは、マフーガと呼ばれる怪物を甦らせるために、自身の一部であったフー子をつけ狙う。その後、ウランダーは何とかスネ夫から取り除かれるが、結局マフーガはフー子を吸収して完全復活。

のび太たちの活躍により、フー子をなんとかマフーガから分離させることはできたものの、このままでは地球がマフーガの起こした嵐によって壊滅してしまうという事態に直面。それを阻止するべく、フー子は単身マフーガに乗り込むのであった。ひとりで戦うフー子を応援する一同のなかには、かつてフー子を奪おうとしたスネ夫の姿もあった……。意地悪だったスネ夫の心が解きほぐされるこのシーンは、物語の白眉であるフー子の健気な姿を際立たせている。
 

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