『HERO』の久利生公平(木村拓哉)、実は恋愛偏差値が“40以下”! その絶望的な理由

コラム

citrus 堺屋大地

 

恋愛コラムニストであり、『Smart FLASH』(光文社)でドラマ批評連載を持つドラマウォッチャーの筆者が、木村拓哉さん主演のメガヒット作『HERO』を考察。稀代のモテ男・木村さんが演じた主人公は、実は恋愛偏差値が恐ろしく低かった!?

 

 

■『HERO』は連ドラが2作、劇場版が2作

2001年1月期のフジテレビ・月曜21時(月9枠)で放送された『HERO』。

見た目がチャラい型破りな検事・久利生公平(木村さん)が、融通の効かない真面目な検察事務官・雨宮舞子(松たか子さん)とのコンビで捜査を行い、真実を突き止めていくリーガルエンターテインメントです。

平均視聴率34.3%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)というメガヒットを記録し、数多くのヒットドラマを世に送り出してきた月9枠のなかでもナンバー1視聴率作品となっています。

そんな『HERO』は2001年のドラマ・第1期以降、2007年には劇場版・第1弾が公開、2014年にドラマ・第2期が放送、2015年に劇場版・第2弾が公開とシリーズ化されてきました。

 

 

■劇場版・第1弾でキスして恋人同士に…!

前述したように検事の活躍を描いたリーガルエンターテインメント作品ではあるものの、久利生と雨宮のラブストーリーが描かれたことも人気の要因のひとつ。……ですが、この恋愛パートの久利生の恋愛偏差値が低すぎて、雨宮がかわいそうすぎるのです……!

ドラマ・第1期では、二人が恋愛的に少しずつ惹かれ合う様子が描かれましたが、お互い素直になれず、全11話をもってしてもあまり進展せず。最終話ラスト、沖縄の支部に飛ばされることになった久利生との別れのシーンで、雨宮から“恋”に一歩踏み出した形でわずかに進展するも、恋人同士にはならず。

それから6年後を舞台にした劇場版・第1弾では、仕事に熱中していた久利生から6年間恋愛的アプローチは一切なく、ほぼ放置プレイだったことが明かされるのです。

久利生も雨宮のことが好きなのは明白なのに、自分から積極性を見せることはほとんどありません。それまでの恋の進展はだいたい雨宮任せ。

……しかし! 劇場版・第1弾のラストで、とうとう久利生が男を見せます!

ラストシーンで久利生が雨宮に「約束します 離しません」というメッセージを伝え、キスをして終幕。二人は晴れて恋人同士になったのです。

 

 

■6年間&8年間の放置プレイという鬼の所業

こうしてラブストーリー的にハッピーエンド……とはなりませんでした。

2014年のドラマ・第2期に雨宮は登場せず、再登場したのは2015年の劇場版・第2弾。

雨宮は検事となって成長した姿を見せましたが、劇場版・第1弾の後、間もなくして二人はまた会わなくなり、なんとこの劇場版・第2弾で約8年ぶりの再会だったそうなのです……!

ドラマ・第1期のラストで雨宮が勇気を振り絞って少しだけ恋の進展がありましたが、その後6年間、ほぼ放置。劇場版・第1弾のラストで久利生から告白&キスをしたのはファインプレーですが、それゆえに劇場版・第2弾となる8年後まで再び放置していたというのは鬼の所業。

雨宮の立場からしたら、「離しません」宣言とキスをされたにもかかわらず、また8年間という気の遠くなるような放置プレイ期間に突入なんて、まさに天国から地獄でしょう……。

ちなみに劇場版・第2弾でも、ほぼ恋愛的進展はありませんでした。

久利生が検事の仕事に情熱を燃やしているのはわかりますが、好きな女を6年間放置して、その後キスして恋人同士になったのにそこからまた8年間放置するなんて、あまりにダメンズすぎないでしょうか……。

これが稀代のモテ男・木村拓哉さんが演じた久利生公平というキャラクターが、恋愛偏差値が“40”にも満たないという所以なのです。
 

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