島田紳助さんが引退する芸能リポーターに贈った「リタイア後に大切なのは、お金・友達・◯◯」なる金言がシンプルだけど素晴らしすぎる件について

コラム

 

芸能リポーターの井上公造さん(65)が3月31日、『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)に出演。今年の春をもって取材の第一線から退くことを、2011年8月に芸能界を引退した島田紳助さん(66)に報告していたことを明かした。

 
紳助さんとは『クイズ! ヘキサゴン』(フジテレビ系)への出演がきっかけで親交を深めたという井上さん。そして、報告のとき……紳助さんは「やっと仲間になれるね」などと井上さんを労(ねぎら)ったのち、 “リタイアの先輩” からのアドバイスとして「リタイア後の人生を楽しむポイント」に、

 
「お金」「友達」「筋肉」

 
……の3つを挙げ、その理由として、 

 

「お金はそこそこあったほうが当然いい。でも、遊ぶ友達がいないと楽しくない。もう一つは健康。『筋肉は裏切らない。筋肉をつけろ』ということを強調されていた」

 

……らしい。

 
一分の隙(すき)、ツッコミどころもない「リタイア」云々を抜きにした、じつに素晴らしい金言ではないか。

 
「お金・友達・筋肉」……と、まず語呂がすごくいい。音感としては完璧である。しかも、気を衒(てら)ったわけでもない、内容としては “王道” のアドバイスでもある。

 
だが、仮にこれが「お金・友達・健康」だったらどうだろう。あまりにも “王道” っていうか当たり前すぎて、おそらく井上さんも「はいはい、ですよね〜」と、脳裏にもこびりつかないまま、あっさりスルーしてしまっていたのではなかろうか? 

 
「お金」「友達」といった、一歩間違えたらどこにでもいそうな説教好きのおっさんでも口にしかねない “2つ” の次に、「筋肉」という、「健康」よりはやや “限定的” にダウンサイジングした、こころなし突飛な(=でも突飛すぎない)響きのあるワードを持ってきたことによって、良い意味での違和感が生じ、それが絶妙なフックとなっている。

 
さらに、「筋肉は裏切らない」というのも、かなり「健康」の本質を突いた極言だと私は思う。どんなに「健康」に気を遣っていても、大病を患ってしまうときは患ってしまう。いっぽうの「筋肉」は(正しく)鍛えれば鍛えるほど、何歳になっても確実に良質なものへと育っていく。たとえば、足の「筋肉」がとことんまで衰えてしまったら “ラジオ体操” はおろか “散歩” すらできない──ひいては、その絶望的な運動不足がすべての「健康」へと影響していく……。そう! 人間の肉体的な加齢は足からくるのだ。

 
私は70歳、いや80歳になるまで草野球を楽しみたいので、そのために今年からこれまで封印していた「スポーツジム通い」を解禁することにした。できれば「筋肉」をもっとつけて、まだ生涯で一度も経験したことのない “ホームラン” を打ってみたい。

 
毎試合ごとに払わなければならないグラウンド代や審判代を、敵味方18人〜で割った500円〜1000円くらいを払う「お金」はある。「チームメイト」という名の「友達」もいる……けれど、「お金を使って友達と遊ぶ」ための「筋肉」がなければ、そのすべては “宝の持ちぐされ” でしかないのだから……。

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