90年代のユーミンは3作連続でミリオンセラーだった! 「春よ、来い」とあと2曲は?
1970年代初頭から現在まで日本の音楽シーンをけん引し続けているユーミンこと松任谷由美。「ルージュの伝言」、「ひこうき雲」など数多くの大ヒット曲をリリースしてきたユーミンだが、1990年代はミリオンヒットした曲を3曲もリリースしていたのだ。
■「真夏の夜の夢」
1993年7月26日に発売された24枚目のシングル「真夏の夜の夢」。
劇作家であるウィリアム・シェイクスピアの創り出した作品と同名の楽曲となっている。同作では男女の関係が主題となっていたが、ユーミンのこの楽曲も恋愛について歌った楽曲だ。
民族音楽のエッセンスが詰められたラテン調の楽曲。エキゾチックなサウンドと情熱的な恋について歌われた歌詞が相まって、全体的に怪しげな雰囲気を醸し出す。しかし、ユーミン特有の親しみやすいメロディは健在なので、ついカラオケで歌いたくなってしまうような楽曲になっている。
本シングルはオリコン・シングル・チャート1位を記録し、彼女初のミリオンセラーを記録することになる。現在もユーミンを代表する楽曲のひとつと言えるだろう。
■「Hello, my friend」
「Hello, my friend」は1994年7月27日に発売された25枚目のシングルだ。
フジテレビ系ドラマ『君といた夏』の主題歌であり、同作のタイトル通り夏の情景を色濃く意識した楽曲となっている。
ある夏の日に恋をした “君” に、二度と会えなかったとしても友達でいさせてくれと訴えかける楽曲。歌詞が恋の終わりと夏の終わりをかけて作られているため、切ない感情をより表現することに成功している。電子ピアノのシンプルな伴奏も時の経過を淡々と表現しているようであった。
前作「真夏の夜の夢」に続き夏がテーマとなった楽曲。晩夏に差し掛かった頃に是非聴いてみてはいかがだろうか。
■「春よ、来い」
1994年10月24日に発売の「春よ、来い」。
同名のNHK連続テレビ小説のテーマソングであり、多くのCMのタイアップにも使用された名曲中の名曲だ。90年代のユーミンと言えば、この楽曲を挙げる人も多いだろう。
曲中何度も繰り返されるピアノのメロディが耳に残る一曲。歌詞は一部文語となっている箇所があるせいか厳かな印象を受ける。しかし格式高い曲かと言われると、そうではなく全体的にリラックスして聴けるサウンドのため、多くの人々に愛されている名曲となっているのだ。
――ちなみにお気づきかもしれないが、今回紹介した楽曲は、間に他のシングル曲を挟むことなくリリースされている。つまり3作連続でミリオンセラーを記録していたのだ。こうして考えてみると、この時期のユーミンがどれほど神がかっていたのかがおわかりになるだろう。