【お悩み相談】せっかく東京勤務になったので、もっと垢抜けた男になりたいんですけど…どうすればいいですか?

コラム

 

……といった相談をいきなり持ちかけられた。相手は、私の友人(男性)が「ゴメスさん、今日もう一人連れて行っていいですか?」と飲みの席に連れて来た、友人が経営する会社に今年4月に入社した、まだ20歳になったばかりのピチピチ男子であった。出身地である鳥取県の高校を卒業後、地元のガソリンスタンドでアルバイトしながら、友人の会社に「御社で働きたいです!」と懇願のメールを送信し続け、どこか見どころがあったのか、めでたく「採用」ってことになり、このたび身ひとつで上京しました……という経緯(いきさつ)……らしい。

 

そして、友人が私のことを「このヒト、ホットドッグ(プレス)とかでモテマニュアルとかを書いてたエラいヒトだから」と紹介していたため、『Hot-Dog PRESS』(※2004年休刊)なんて若年男性向け総合情報誌のことは絶対に名前すら知らないに違いない世代のはずなのに、その男子は「なんとなくスゴいヒト?」とでも直感したのか(笑)、こんな悩みを打ち明けてきた……ようだ。

 

地方から上京したばかりの初心(ウブ)なヤングが「垢抜けたい!」と想い焦がれる、その切実な心情は痛いほど理解できる。だがしかし! 「垢抜ける」とははたして、具体的にはどういう状態のことを指すのだろう?

 

ネット辞書『コトバンク』には、

 

・垢やよごれなどが落ちてさっぱりとしていること。

 
・容姿・態度・技芸などが洗練される、都会的にすっきりと洗練されること。

 

……とあった。なるほど、とりあえず「都会的に洗練される」との解説に倣(なら)うならば、都会に出てきた「男子」が都会の洗礼を受け垢抜けていく「オーソドックスな順番」ってヤツは、たしかにあると思う。私がこれまで観察してきた多くの “上京ヤング” から、私なりに導き出した「順番」とは……以下のとおりである。

 

(1)   髪型が垢抜けていく

(2)   眉毛が垢抜けていく

(3)   靴が垢抜けていく

(4)   服装が垢抜けていく

(5)   脱毛で垢抜けていく

 

「垢抜ける」ために、まず重要なのは「髪型」。できれば床屋じゃなくて「美容室」に行って、「ボクに一番似合う感じに切ってください」とだけ注文すればいい。極端なツーブロックにしたり、髪をピンクに染めたり……と、アグレッシブすぎるヘアスタイルにする必要はまったくない。髪型だけでもすっきりすれば、外見だってガラッと変わってくるものなのだ。

 

次に「靴」。靴がみすぼらしいと全体の印象も確実にみすぼらしくなってしまう。ここはできれば1万円くらいはかけましょう。もし、予算的に一足しか購入できないなら、その一足をマメにお手入れしてほしい。

 

「服装」は、別にお金をかけなくてもかまわない。ユニクロで充分……いや、むしろユニクロがベストだと思う。妙にインパクトが強烈なロゴやイラストがドカンと描かれているようなTシャツではなく、なるべく無難な色や形のものを選ぶべき。パーソナリティを前面に打ち出すのは、おのれが洗練され尽くしてからの話──まずは「個性」という名の、ある種の「目立ちたい願望」をいったん洗い流すことこそが「洗練」なのだ。

 

美容整形外科に通ってヒゲや全身の脱毛を試みたりするのは、もはや “仕上げ” の段階。「都会暮らしをはじめて、すでに10年以上」クラスの男子でも “そこ” まで到達していないケースが大半ゆえ、通うなら “そこ” に投資する余裕ができるくらいにお金を稼げるようになってからでよろしい!

 

以上、「垢抜ける」とは、とどのつまりが “引き算” であり、本来の意味が「垢やよごれなどが落ちてさっぱりとする」であるように、「地元では放ったらかし状態だった余計なモノを削ぎ落としていくこと」なのである。「自分をデコラティブに盛っていく」のは「垢抜ける」とは真逆の行為である……という “真理” だけは肝に銘じてもらいたい。

 

さて。ここまでを読んでくださった賢明なるcitrus読者諸君なら……「眉毛」に関する言及がサラッと飛ばされている事実に、お気づきになったことだろう。

 

私は「順番」こそ2位になってしまったが、「眉毛」こそがもっとも重要な「垢抜けの要素」だと考える。極論、「美容室に行くお金もない…」というボンビー(※←死語?)な男子でも、「眉毛」さえ整えればずいぶんと印象は垢抜けてくる。たとえば「ゲジゲジ眉毛」なら、そのゲジゲジな部分だけを毛抜きで抜いてスッキリさせればよい。原則としては、眉毛の上の部分は残して、下の部分を中心に抜くこと──そうすれば、凛々しい逆八の字型の眉型をつくることができるからだ。ただし、抜きすぎると田舎のヤンキーみたいな細眉にもなりかねないので、くれぐれも「やりすぎは禁物」だと付け加えておこう。

 

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