コロナ禍以降、「袋麺」派が「カップ麺」派を猛追! その理由は "◯◯感" にアリ!?

コラム

 

経済ジャーナリストの高井尚之さんというヒトが、かつては「インスタントラーメン」などと呼ばれ、親しまれていた「袋麺」について、いろいろと論じている記事を『PRESIDENT Online』から配信しており、じつに興味深く拝読させていただいた。

 

即席麺の二大勢力とは、皆さまご存知のように「カップ麺」と「袋麺」であるが、『日本即席食品工業協会』の発表データによると、

 

「カップ麺=39億2238万食:袋麺=18億6451万食:生タイプ=1億8832万食」(2020年度調べ)

 

……と、生産量では「カップ麺」が「袋麺」より2倍以上も多いという。

 

ところが、コロナ禍によって最初に巣ごもり需要となった2020年度は「カップ麺」より「袋麺」のほうが大きく数字を伸ばしたらしく、「袋麺」は小売額ベースで前年比20.0%増(数量ベースで17.4%増)──いっぽうの「カップ麺」は出荷額ベースで2.6%増どまりであった……のだそう。

 

そして、「袋麺」市場で首位を守り続けているのは、発売から50年以上経った今なお安定した人気を誇る『サンヨー食品』の「サッポロ一番」の「みそラーメン」と「塩らーめん」のツートップで、日本の西側生まれの私としては「うまかっちゃん」(ハウス食品)が “ココ” に食い込んでいないのが少々不満ではあるものの、まあ「うまかっちゃん」は九州・近畿・中四国・沖縄県……と販売地域が限定されているため、まあ致し方なし……といったところだろう。 

 

では、なぜコロナ禍による「外出自粛の生活」において、「袋麺」がこうもあらためてフィーチャーされつつあるのか? 前出の高井さんは、その理由を

 

「自分なりにアレンジをして仕上げる、ちょっとした達成感にある」

 

……と分析している。

 

「まさしくおっしゃるとおり!」と猛烈に納得できた。「カップ麺」が “具材” から、それこそ “器” に至るまで……すでに商品としては “完結” していて、アレンジの幅は「キムチを入れる」「チューブ製のニンニクや生姜、ラー油などをたらす」程度がせいぜいであるのに対し、「袋麺」は炒めた野菜や肉……とかはもちろんのこと、究極的にはスープの味さえも大胆な味変を試みることだってできる(※たとえば、『サッポロ一番』の「塩らーめん」に缶のレモンサワーを混ぜるとエスニック調の味わいになるとの噂がある)。

 

ちなみに、今回のコラムのサムネイルに使用している写真は、某スーパーで購入した「酢と塩こしょうらーめん」(アイリスオーヤマ)という謎の(?)「袋麺」に、卵・トマト・きくらげを炒めたものに大量のラー油を加えた、私なりに「酸辣湯麺」風なアレンジを施した “作品” である。そう! 仮に生卵を沸騰するスープに落としただけでも、「なんとなく料理している気分」を堪能できるのが「袋麺」の魅力なのだ。だからゆえ、コロナ禍によって自宅で過ごす時間が圧倒的に増えたこの数年──間違いなく私の「袋麺」購入量も例年の2倍以上となっている。

 

こうした「なんとなく料理している気分」という意味では、「チキンラーメン」(日清食品)はたしかに美味しくてたまらないのだけれど、「アレンジの幅」という観点からすれば……『サッポロ一番』の「みそラーメン」と「塩らーめん」(と「うまかっちゃん」)あたりと比べ、「インスタントラーメンとしての味的な完成度」が高いぶん、やや “弱い” のかもしれない?

 

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