「元サラリーマンのホスト」という経歴はなにがどのくらいのアドバンテージとなるのか…について考察してみた

コラム

 

アラサーになってから、いわゆる「ちゃんとした企業に就職した男性」がホストに転身する「元サラリーマンホスト」が昨今、歌舞伎町でにわか増えてきている……らしい。そんなことが書かれた記事を『FRIDAY DIGITAL』が配信していた

 

同記事の冒頭にもあるとおり、

 

「ホストほど学歴や職歴がバラバラな職業は珍しい」

 

……っていうのは、あながち大袈裟な表現でもない。私は15年くらい前に、歌舞伎町の売れっ子ホストをモデルにした男性向けファッション誌の編集長を務めていたことがあるのだけれど、その縁で会った百人以上ものホストの皆さんの前職は、たしかにかなりバラエティに富んでおり、偏差値の振り幅も相当なものであった。

 

もちろん、その「バラエティ」のなかには「一度はちゃんとした企業に就職していたホスト」もけっこういた記憶があり、コレって結局のところは女性に例えれば、

 

「ちゃんとした企業に就職していた元OLがキャバクラ嬢に転身した」

 

……のといっしょで、「今さら騒ぎ立てるほど珍しいケースでもないのでは…?」って気がしなくもない。むしろ、注目すべきなのは「元サラリーマン」ってとこじゃなく、「アラサーになってから」というくだり──つまり、「ちゃんとした企業にそれなりの期間働いてきた上での転職」、それに「ホストデビューの高齢化」という現状なのではなかろうか。

 

「ちゃんとした企業にそれなりの期間働いてきた」ってことは、「会社が嫌でたまらないから即、ホストの世界に逃げ入った」のではないのだから、ある程度「サラリーマンのメリットとホストなる職業のメリット」を客観的に対比したうえで "現職" を続けているわけである。そして、 "前職" で得たスキルを "現職" にも応用できるだけのキャリアも積んでいるということだ。
だから、

 

「ホストは個人コンサルに近いですね。女の子のモチベーションとか性格を見極めて、どんな会話が好きかとか、どんな営業をしたらハマるかをいつも考えています」(※記事中に登場する、大手コンサル会社から転職して2年目の33歳ホストのコメント)

 

……なんてセリフも、さらっと語れるのだろう。

 

あと、同記事の筆者である佐々木チワワさんは、

 

昨年の歌舞伎町年間最高売り上げである5億2000万円をたたき出した有名ホストは32歳。40代の月間1000万円プレイヤーも誕生している。大人の余裕を感じたい女性客が増えているのである。

 

……と、分析する。なるほど、需要サイドが「商品の新鮮さ」をさほど気にしないのなら、さらに「一定期間の熟成」すら希望するのなら、見た目のアンチエイジング技術がみるみる進化していくさなか、ホストの賞味期限は延びていくいっぽうで、今後は「サラリーマン」という地道な修業時代も "売り" として、よりいっそうアピールしやすくなっていくのかもしれない。

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