『天国と地獄』『真犯人フラグ』『マイファミリー』… “日曜の真犯人フラグ男” 、迫田孝也
近年、大ヒットドラマに多数出演し、名バイプレイヤーとして売れっ子となった俳優・迫田孝也さん。彼が今、“日曜の真犯人フラグ男” とも言える存在となり脚光を浴びていることを、『Smart FLASH』(光文社)でドラマ批評連載を持つ筆者が解説します。
※ここからは『天国と地獄 〜サイコな2人〜』(TBS系)、『真犯人フラグ』(日本テレビ系)、『マイファミリー』(TBS系)のネタバレがありますので、未視聴の方はご注意ください。
■『天国と地獄 〜サイコな2人〜』での迫田孝也
2021年1月期に日曜劇場枠で放送された『天国と地獄 〜サイコな2人〜』。綾瀬はるかさん演じる刑事・望月彩子と、高橋一生さん演じる殺人鬼(?)・日高陽斗の魂が入れ替わってしまうという、スイッチ・サスペンスストーリーはSNSを中心に視聴者たちの考察合戦で盛り上がっていました。
いきなりネタバレとなり恐縮ですが、この『天国と地獄』の真犯人役を演じたのが迫田さんでした。迫田さんは物語序盤から登場していましたが、実は日高の双子の兄で連続殺人犯だったのです。
迫田さんの俳優としてのキャリアは長く、もともとバイプレイヤーとして多くの作品で活躍していましたが、高視聴率を記録した日曜劇場作品の真犯人役は、大抜擢だったと言えるでしょう。
■『真犯人フラグ』での迫田孝也
そんな迫田さんが次に脚光を浴びたのが、日曜夜の枠で2021年10月から2022年3月まで2クール放送された『真犯人フラグ』。西島秀俊さん演じる主人公の家族が3人同時に行方不明になってしまうというサスペンスドラマで、迫田さんは主人公の親友役を演じていました。
これもネタバレをしますと、真犯人は迫田さんとは別のもう一人の親友だったため、『真犯人フラグ』での迫田さんの役はただただ善良なキャラクターでした。けれど迫田さん演じる親友は、怪しく見えるシーンがたびたび挿入されていたこともあり、物語序盤から最終話までずっと、“真犯人なのではないか?” と疑われていたキャラクターだったのです。
考察系ドラマ好きの視聴者たちの脳裏に、『天国と地獄』の真犯人だったことがチラついていたことは想像に難くありません。
■『マイファミリー』での迫田孝也
そして、直近の出演作である2022年4月期の日曜劇場『マイファミリー』。主演の二宮和也さんが演じるゲーム会社社長の娘が誘拐され、その事件に端を発し、次々に発生する誘拐事件が複雑に絡み合っていくというストーリーでした。そして迫田さんの役に対して、これまた “真犯人なのではないか?” と考察する視聴者が続出していたのです。
迫田さんが演じたのは、キャリア組のエリートである神奈川県警捜査一課管理官・警視。警察内部に真犯人がいるという説も濃厚だったため、迫田さんの役にも “真犯人フラグ” が立っていたのです。ネタバレになりますが、けっきょく真犯人は警察内部の別の人間だったのですが、迫田さんの役には今回も最終話まで真犯人説がくすぶっていました。
昨年から今年にかけて日曜日に放送され、いずれもSNSで考察ブームを巻き起こした話題のミステリー作品に出演し、そのたびに “真犯人なのではないか?” と疑われた迫田さん。今後の出演作でも、どんどん “真犯人フラグ” を立てていってもらいたいものです。