安眠したいときに着るべきなのは「白いシルクのパジャマ」? ココ・シャネルも愛した "白" の力

コラム

 

母親が病死、父親には捨てられ、孤児院や修道院で育った少女が、1909年に帽子のアトリエを開設しました。これが現在も世界の女性を虜にするファッションブランド「シャネル」の出発点です。

 

創業者のココ・シャネルは、生涯に渡って、真っ白なシルクのパジャマで寝ることを習慣にしました。パジャマだけではなく、洋服も敷布のような白を好み、部屋は白塗り、カーテンも白。薄暗い部屋、暗い色の服で育った孤児院時代を払拭するかのように、白を求めました。シャネルにとって白は自由を感じさせてくれる色だったのです。

 

白は光をもっとも反射する明るい色です。白のイメージは純潔、純真、過去を清算してリセットする色ともいわれています。象徴的なのは純白のウェディングドレス。シャネルは恵まれなかった少女時代をリセットすべく、白を好んだのかもしれません。

 

@niftyニュースが2012年に実施したWebアンケートによると、白は好きな色ランキングで1位、異性の服で好感を抱きやすい色1位、心が落ち着く色でも上位に入りました。

 

パジャマの生地がシルクであることにも意味があります。シャネルはコルセットが多用されていた女性服に対し、「どうして窮屈な服装に耐えなければいけないの?」という意見で、着やすく動きやすい服をつくり、成功を収めます。他にも従来ではあり得なかったジャージ素材のドレスをつくるなど、ファッションと機能性の両面を追求しました。

 

シルクの吸湿性は綿の1.5倍、放湿性も1.5倍。夏は涼しく、冬は暖かい。日常の生活で人がもっとも汗をかくのは睡眠中で、その量は500CCといわれています。その点を考えても、白いシルクのパジャマは、メンタル面と機能性のどちらも優れていることになります。東京学芸大学の茂木朋子氏の研究でも「直射日光を受けない低温の室内では、白色の被服を用いるのが保温的」という結果が出ていて、白いシルクのパジャマは質の高い睡眠(安眠)をもたらしてくれるようです。
 

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