【後編】芸能界から一転アートの世界へ…日本のチョークアートの第一人者Moeco氏が考える『アート』のこれから

コラム

 

コロナ禍が日本国内でも落ち着きを見せかけた今年9月、代官山のギャラリー『roarguns』で、約3年半ぶりに大々的な個人展を開催したチョークアーティストのMoecoさん

 

 

テーマは『BORDERless(ボーダレス)』──ステイトメントの冒頭には

 

2022年秋

これから先は

ずっと

BORDERless

共通性はヒューマン(人間)

border なく

「らしく」生きる。

 

……と記されており、ボーダーなしに生きている人たちにスポットを当て、ネオンライトなどを使ってカラフルに描くことをコンセプトとする。作画モデルには

 

・蒼井そら(タレント)

・上木彩矢(歌手)

・GYUTAE(メイクアップアーティスト/美容クリエイター)

・サマンサ・アナンサ(MICHIKO・LONDON・ブランドディレクター/ドラァグクイーン)

・Yuri Nakagawa(DJ)

・馬瓜エブリン(2020東京オリンピックバスケットボール女子日本代表)

・みおり舞(ダンサー/ストリッパー)

 

……と、異色の顔ぶれがズラリ揃っている。

 

 

 

 

 

まさしく「満を持しての…」といった趣(おもむきの)の精力的な作品群であるが、新型コロナショックによるさまざまな “規制” は、Moecoさんのクリエイティビティにも少なからずの影を落としたという。

 

「ここ数年の活動はチョークアーティスト一本で、制作が続くと日々のタイムスケジュールは、起きて・描いて・お風呂に入って寝る…の繰り返しです。

 

夜通し描くことは減ったかな? 一日で(作品を)仕上げるということをあまりしなくなり、理由は『絵に当たる陽の光が時間帯によって違ってくるなか、次の日にまた新しい気持ちで描きたい』から。日を跨(また)ぐことも大事にしています。

 

コロナ禍が長引き、海外はしばらく行けていませんが、東京アートフェアに出展したり、他のアーティストさんとコラボしたり、壁画を描いたりはしていました。

 

基本的にアトリエ内での作業がほとんどなので、メンタル面は “いつも” とそう変わらないだろう…と思いきや、予定していた個展などが次々と飛んでしまい、モチベーションは上がらずでした。なにか具体的な目標がなくとも、創作意欲を維持できるアーティストさんが羨ましいですね(笑)」(Moecoさん)

 

ただいっぽうで、作品と向かい合う時間が増えたことによって、自身の作風にも確実な “成長” が見えてきた……と、Moecoさんは語る。

 

「コロナ以前の作風と比べたら、ちょっぴり貫禄がついたかもしれません(笑)。

 

どこがどう変化した…という意識はありません。根本として『自分は自分』なので、そこはブレない…っていうか。

 

樹木の種類は同じだけど、幹の部分がやや太くなって、結果として、そこからの枝分かれしていく部分にも多様性が加わった感覚です。

 

今回の個展に展示した作品もベースのチョークは変わりませんが、そこから石膏を使ったスカルプチャーフラワーアートや、ネオンのアートを施してみたり…。

 

マイナスではなく、なにかをプラスすることによって、より大きな化学反応を見出せるよう心がけています」(Moecoさん)

 

 

 

 

 

今後は、コロナ禍においてストップしていた海外活動も再開させたいというMoecoさん。『BORDERless(ボーダレス)』をテーマにした作品は、シリーズ化してアジアにも持って行きたい……と、彼女は構想する。

 

「一目で見て私の作品だとわかるような絵が描きたい。日本ではまだまだアートに対して敷居が高いイメージがありますが、たとえば、私が留学していたニューヨークみたいに、私のアートが『日常を彩る身近なもの』として、入り込めたら最高だなと思っています」(Moecoさん)」

 

Moeco

 

1982年兵庫県神戸市生まれ。14歳で第7回『全日本国民的美少女コンテスト』マルチメディア賞受賞。18歳でデビュー(松下萌子名義)し、女優・歌手として活躍した後、2012年にニューヨークに留学。翌年2013年にはチョークアーティストとしてデビュー。以降、日本の「チョークアートの第一人者」として、美術界や多数メディアからも注目を集める。2023年の春にはロンドンの『sway gallery』にて個展開催予定。

 

 

Instagram:@moecochalkartonly 

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