20代でこの境地に!? あまりに熟成しきっている大谷翔平選手の「幸福論」

コラム

 

『Number Web』がロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手(28)の単独ロングインタビューを配信していた。さすが『Number』さんだけあってか、非常に濃厚な内容の記事であり、興味のある方はぜひここをクリックしてから、じっくりと精読してもらいたいのだが、なかでも私のハートにもっとも響いてならなかったのは、大谷選手が語る自身の「幸福論」であった。とりあえずは、その抜粋部分をご覧になっていただきたい。

 

(「今、ささやかな幸せを感じる瞬間を教えて下さい」との質問に対し)

 

「今のささやかな幸せか……何でしょうね。ささやかな幸せを感じるまでもなく、今は日々に満足していますね。今日もしっかり練習できたし、これから帰ってごはんも食べられるし……今の時期は何を食べたいという段階じゃないんです。シーズンが始まったらカロリーを気にしながら好きなものを食べるんですけど、今はヘルシーバランスを優先して何を食べるのかを決めていますから、食べられるという平穏な一日に満足しているんです。夜になったら寝心地のいいベッドがあってそこで寝られるし、明日が来たらまた練習できるし……そういう、何の不安もなく暮らせる感じというものに満足しているんですよね。それがささやかではない幸せなんだと思います」

 

いや~驚きましたね、マジで。「このヒトは本当にまだ20代なのか!?」……と。私なんぞと同じ壇上に置いて比較するのも烏滸(おこ)がましくはあるのだけれど(笑)、この大谷選手の「幸福論」は……じつのところ今の私のソレと、わりによく似ていたりする。

 

“いつも” のように朝7時に起床し、8時には『喫茶室ル◯アール』に到着──そこで(夏でも)ホットコーヒーを注文してから、ノートパソコンを開き、軽くメールチェックをしたのち、今日入稿するcitrusのコラムの執筆に取りかかる。

 

次に、二杯目のホットコーヒーを追加して他の連載原稿の執筆にも取りかかり、13時ごろには店を出て自宅に戻り、昼食や休憩(ときには昼寝)で時間をつぶしてから、15時すぎから今度は単発発注の原稿や雑務に取りかかる。リモートでミーティングを行ったりすることもあるが、よほど切羽詰まった〆切がないかぎりは18時過ぎ……遅くても20時には仕事を切り上げる。

 

仕事を終えてからは、キッチンで軽くお酒を飲みながら夕食をつくり、それをツマミに映画やナイターや録画している大河ドラマなどを観ながら本格的に飲みはじめ、その数時間後にはとっておきの入浴剤を入れたお風呂に浸かりつつ、読書タイム──23時過ぎには「寝心地のいいベッド」に入って、好きな音楽を聴きながらまどろみつつ、明日の仕事(もしくは週2回の早朝草野球)に向けて、眠りへと就く……。

 

 “今日も” 一つの新しい仕事を成し遂げて、こういう「平穏な一日」を過ごせたとき、心底から「ささやかな幸せ」を感じることができる。そして、その「幸福感」を一日でも多く味わうことができるよう、極力日々の生活から「不安」という名の “イレギュラーな出来事” を排除するよう努力する……。

 

しかし、そんな境地に達することができたのは……私の場合は、あくまで「今」──せいぜいここ5年くらいの話である。

 

私が20代(……どころか30代40代50代前半)のころは、 “イレギュラー” な……とどのつまりが「少しでも刺激的な予定」でスケジュールを埋める作業に、とにかく躍起になっていた。「エキサイティングな毎日」でアドレナリンをどっぱんどっぱん分泌しまくることこそが「デキるヤツ」の証であり、「平穏な一日=悪」だと思い込んでいた。

 

おそらく、大谷選手は20代後半にして、

 

「自身の成長を促すための平穏な一日」

 

……の重要さに気づき、やはり「極力日々の生活から “イレギュラーな出来事” を排除する」ため、(我々からすると)尋常じゃない労力と金額を費やしているのだろう。また、最近の “大谷世代” の若いヒトたち全般にも、一昔前の我々なんかとは違った「イレギュラーを敬遠する」傾向が見て取れる……気がしてならない。とくに大谷選手だけが “異人種” なわけではなく……これもまた時代の流れってヤツなのか???

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