「べろべろ」、「ぼうり」…… ってどんな料理!? 日本各地の「ご当地おせち」を調査!

年末ムードが漂い始める11月、飲食業界ではすでにお正月のおせち商戦が過熱しているようです。数の子、黒豆、海老、栗きんとんなど、おせちといえば縁起ものの料理を思い浮かべますが、日本各地の食卓には見たことも聞いたこともないような珍しいおせち料理が並ぶそう。そこで、出身地別のご当地おせちを調査すべく「ご当地おせち座談会」を開きました!
今回、座談会に参加くださったのは、現在、東京在住のこちらの4名。みなさんの出身地では、どんなおせち料理が食べられているのでしょうか?

左から、北海道出身の猪田さん、石川県出身の澤田さん、広島県出身の宮本さん、沖縄県出身の当山さん。
―地元と東京のおせち料理を比べてみて、違うことはありますか?
おせちは大晦日に食べるのが常識!?
猪田「そもそも、北海道の人たちっておせち料理を正月に食べない。大晦日に食べちゃうんですよ。それが当たり前だと思っていたから、上京してから周りの友達に『おせちは正月に食べるもんでしょ』って言われてビックリしました」
―え! じゃあ、お正月には何を食べるんですか?
「お雑煮とかおせちの余りものとかですね」
当山「沖縄はおせちを食べる風習がないので、東京に出てきて“おせち”そのものに衝撃を受けました(笑)。豪華でキレイだな~って感動しましたね」
宮本「私の実家のおせちは三段のお重が出てきて、見た目は東京のものとあまり変わらないですね」
澤田「僕も。お重が並べられて、入りきらなかった料理が皿に乗って出されるという感じ」
―では、ご出身地ならではのおせち料理はありますか?
北海道:氷頭(ひず)なます、口取り菓子
猪田「氷頭なます。鮭の頭の軟骨をスライスして大根おろしと和えたもので、うちの実家では鮭の身も入れてました。コリコリした食感でおいしいんですよ! それと、『口取り菓子』という鯛や海老を模った練りきりがお重に入っているものも、北海道ならではかも。子どもの頃はこればっかり食べてました(笑)」

こちらが「氷頭なます」。サケの鼻先の軟骨の部分で、氷のように透明なので「氷頭」と呼ばれるそう
―おせちの甘い物代表といえば『栗きんとん』だと思っていましたが、『口取り菓子』は初耳! 鮭もいかにも北海道らしいですね。ほかの地域はどうでしょうか?
石川県:べろべろ
澤田「石川県のおせちに必ず入っているのは『べろべろ』」
―『べろべろ』!?なんですかソレ?
澤田「この話をすると必ず聞き直される(笑)。『べろべろ』っていうのは、溶き卵を寒天で固めた料理で、和風だしにほんのり生姜が利いていておいしいんですよ」

加賀料理の一つであり、祭礼や正月のおせち料理によく振舞われるという「ベロベロ」(画像提供:JA全農たまご株式会社)
広島県:ワニ料理
宮本「私は広島県庄原市出身なんですけど、実家ではお正月に『ワニ』を食べます」
―ええ! ワニのお肉を食べるんですか!?
宮本「『ワニ』といっても爬虫類のワニじゃありませんよ(笑)! 広島でいう『ワニ』っていうのはサメのことで、お刺身とか煮こごりがおせちに入っています。筋っぽくて小さい頃はあまり得意じゃありませんでしたけど……。 そして、お雑煮には必ず牡蠣が入っています」

広島県北部の地域で食べられるという「ワニ料理」。淡泊な味わいでもちもちした食感だとか
―東京出身の筆者からすると、サメを食べる文化も珍しく感じます。
秋田県:チョロギ
澤田「珍しいといえば、僕の妻の実家が秋田なんですが、そこのおせちに入ってた『チョロギ』が衝撃的でしたね。その場では言えなかったけど見た目がグロい……。 例えると、赤いカブトムシの幼虫(苦笑)。でも、食べるとゆり根みたいで美味しいんです」

こちらが「チョロギ」。シソ科の植物の根の部分(塊茎)で、東北地方の一部で正月の縁起物として黒豆に添えられることが多い
―(画像を見て)あ……(沈黙)。たしかにビジュアルはちょっと、アレですね……(汗)。
ほ、ほかに珍しいおせち料理ってありますか?
和歌山県:ぼうり
宮本「そういえば、結婚して和歌山に住んでいる妹が『旦那の実家で大きな里芋が皮付きのままお椀に入って出てきた』って驚いてました。『ぼうり』っていうその地域の郷土料理らしく、お箸で割って食べるそうです」

「ぼうり」とは和歌山県田辺市(旧大塔村)に伝わる郷土料理で、この地域では餅の代わりに食べるそう。
―どの料理も名前にインパクトがありますね。ところで、沖縄では「おせち」の代わりにお正月に必ず食べる料理はあるのでしょうか?
沖縄県:たーむ、豚の三枚肉
当山「『たーむ』(田芋の煮っころがし)や、豚の三枚肉の煮ものとかですかね。あとは、揚げ物とかパーティー用のオードブルに入っているような料理がお重に詰まってます。三枚肉の煮ものは、お正月に限らずお祝いの席に必ず出てきますね」

沖縄で祝い事の席で食べられるという豚の三枚肉の煮もの。いわゆる「ラフテー」とは別物とのこと

北から南まで、その地域の特色が色濃く表れるおせち料理。毎年お正月を実家で過ごす人にとっては、自分の家庭では当たり前だと思っていたおせち料理が、よそでは一般的でないものもあるかもしれません。
今年のお正月は、いつもと違うおせち料理で新年を迎えてみるのも一興かもしれませんね!
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(構成・文:テレビ東京 旅グルメ)