インフレ状態の女性ハーフタレントとは一線を画す滝沢カレンの魅力

コラム

 

近年、増殖し続ける女性ハーフタレントのなかでも、昨今は頭一つ抜けだした感のあるモデル兼タレントの滝沢カレン(27)について、なかなかに的を射た分析をなされている秀逸なコラムを『デイリー新潮』が配信していた。

 

ウクライナ人の父と日本人の母のあいだに生まれたエキゾチックな顔立ちをした彼女は、その容姿とはギャップの激しい「ヘンテコ日本語」の使い手として、颯爽とバラエティ界に現れた。

 

本来だと「一発屋」の匂いがぷんぷんとただようキャラ設定であるものの、滝沢カレンはバラエティに本格参入してから4年ほど経った現在でも、見事に第一線で活躍している。その理由を、同コラム筆者のラリー遠田さんは以下のように分析している。

 

バラエティ番組に出ている女性タレントは、どちらかと言えば明るく元気なタイプが多い。そういうタレントももちろん重要なのだが、その押しの強さやしつこさが一部の人から嫌われる要因になったりもする。だが、滝沢にはそれがない。見た目は上品で姿勢もいいし、話し方にも落ち着きがある。

 

(中略)
 

滝沢はいつも真面目で誠実だ。その証拠に、彼女はあまり愛想笑いをしない。

 

(中略)
 

彼女自身はあくまでも、自分のボキャブラリーの中で、言いたいことを誠実に伝えようとしている。ただ、言葉の使い方や組み合わせ方があまりに独特であるために、違和感を与えてしまうことがあるだけだ。

 

(中略)
 

その点で、滝沢はいわゆる「おバカキャラ」とも違う。学校で学ぶような知識は足りないのかもしれないが、彼女には彼女なりの思考力があり、思ったことをちゃんと伝えようとする知的な誠実さがある。ヘンテコ日本語の奥に隠された真面目さと素直さこそが、彼女の人気の秘密なのだ。

 

たしかに、滝沢カレンには周囲の空気、すなわち「バラエティ特有の持続的な躁状態」に流されない独自の世界観──そう簡単には突き破ることのできない、薄くて無色透明ながらも強固なシールドのようなものに包まれている印象が、私にもなんとなくはあった。並みいる女性ハーフタレントには欠如しがちな気品や知性めいたものも感じていた。

 

 

「周囲の空気に流されない独自の世界観に、気品や知性めいたものを兼ねそなえるハーフタレント」を他に挙げるなら、まず私の頭に思い浮かぶのは「デヴィ夫人」である。って言うか、後にも先にもデヴィ夫人しか思い浮かばない。デヴィ夫人みたいに強烈なインパクトや過激な発言力は、滝沢にはない。「波瀾万丈すぎる半生」といったバックボーンもない。が、出来上がったキャラクターへのアプローチこそはまったく違えど、私には滝沢カレンとデヴィ夫人がやたらダブって見える。

 

おそらく、唯一の共通点と推測される「独自の世界観」と「気品や知性めいたもの」を絶対的な武器とする者にしか醸し出せない“肝の据わった淡々力”が、私にそんな錯覚を起こさせているのだろう。そして、「第二のデヴィ夫人」ということは、それすなわち「芸能界で長く生き残る素養の持ち主である」ということだ。滝沢本人が、その“称号”を「良し」とするか否かは定かじゃないのだけれど……(笑)。ちなみに、正確に言えば、デヴィ夫人は「日本人の両親のあいだに生まれた、インドネシアのスカルノ元大統領の第三夫人」で、ハーフタレントではないのだけれど、そこらへんは「カタカナ混じりの芸名」ってことで、あえてスルーしていただきたい。

 

 

あと、最後に私個人のこぼれ話をすれば、滝沢カレンの登場のおかげで、やっと「滝川クリステル」を「滝沢クリステル」と間違えて原稿に書くことがなくなった。滝沢クリステルは、かつて滝クリの人気にあやかって世に出たAV女優。ここcitrusでも滝クリについて論じた私のコラム中の表記が「滝沢クリステル」と誤字ったまんま、わりと長期間放置されていたという、一文筆家としては恥ずべき過去もある。カレンちゃん、ありがとう!

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