熱血体育会系芸人『ティモンディ』高岸宏行がこれからくる?!みやぞんを彷彿とさせる突出した異彩とは

コラム

 

博学なるcitrus読者の皆さまは、お笑いコンビ『ティモンディ』のボケ担当である高岸宏行なる人物をご存じだろうか?

 

齢(よわい)27歳。今年8月1日に放送された『アメトーーク』(テレビ朝日系)の「スポーツ推薦芸人」の特集回に出演。その圧倒的な風貌と体格・声のデカさと某戦場カメラマンのごとくやけにおっとりしたトークリズム、それにガチガチの体育会系の振る舞いと身体能力……による強烈なインパクトは、早くも「伝説」として語り継がれている。

 

愛媛県にある、あの高校野球の名門・済美高校の野球部出身で、もちろんのこと、投手として本気で甲子園を目指していた。高校3年のとき、愛媛県大会決勝でサヨナラ負けを喫してしまい、惜しくも甲子園出場は逃してしまったが、現役時代は147キロの球速を誇り、ヤクルト・阪神からの誘いもあったという。その後、高岸は東洋大へ進むが、故障のためプロへの道を断念。大学4年のとき、済美高校野球部のチームメイトでもあり、高校卒業後には駒澤大学へと進学した現相方の前田裕太(27)と街でばったり出くわしたのをきっかけに、お笑いコンビを結成した……らしい。

 

デイリー新潮は、高岸について以下のような高評価している。

 

「まだコンビを組んで4年。今年2月に初の単独ライブをやったくらいで、正直言って、漫才師としてはまだまだです。しかし、『ワイドナショー』(フジテレビ系)にも出演し、『アメトーーク』にはグルメリポート企画で再登場。そのレポートぶりが斬新で面白いと、カンニング竹山(48)などベテラン芸人も絶賛しています。やはりスポーツだけをやってきた“強み”でしょうか。“世間とのズレ”、“誤った価値観”、“理屈より感性”がもたらす高岸のユニークな発言は、芸能界では天然やおバカ、変人キャラとしてもてはやされますからね」
 
「ギャグや奇をてらったツッコミで笑いをとるのではなく、ゆっくり過ぎる口調で言った普通のことが、なんだかズレている。それが面白い、というのも高岸の魅力でしょう。(中略)いずれは(同様に元高校球児で、荒川商業高校のエースとして東東京大会で4回戦まで進んだ)みやぞんを脅かす存在になるかもしれませんよ」(※ともに某民放ディレクター)

 

 

私もこの高岸が出演した『アメトーーク』は、二度ともリアルタイムで観ていた。たしかに、私が「生粋の野球好き」だという贔屓目を差し引いても、突出した異彩を放っていた。「スポーツだけをやってきた“強み”から生じる“世間とのズレ”、“誤った価値観”、“理屈より感性”が、高岸がもたらすユニークの正体」といった分析も、なかなかに言い得て妙……だったりする。

 

ただ、逆の見方をすれば、「スポーツだけをやってきたがゆえの“世間とのズレ”や“誤った価値観”という“強み”」が、これからの長い芸能生活によって微修正、もしくは視聴者に飽きられたとき、はたして彼(ら)はどうなっていくんだろう……みたいな若干の不安要素もなくはない。つまり、現時点では極論「笑わせている」のではなく「笑われている」だけなのだ。

 

しかし、私は、このヒトにかぎっては仮に前述したような“壁”にブチ当たったとしても、案外大丈夫ではないか……とも思っている。だって、147キロの球を投げられるんですから(※趣味の一つがトレーニングであるため、今はより進化を遂げて、なんと! 150キロを出せるんだとか…)。なんだかんだ言って人気スポーツである野球を取り上げるバラエティ番組は、それなりの視聴率を稼ぎ出す。それらの企画が完全消滅しないかぎり、『ティモンディ』高岸のモラトリアム期間は、延々と自動更新され続けるのではなかろうか? 「一芸は身を助ける」ってヤツである。

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