『水ダウ 八百長合コン対決』から学ぶ、合コンで女性にモテるためにはウケを狙うな!「減点法」で確実に挑め!
2月5日に放送されたバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)をたまたま観ていたら、あえて合コンで脱落するため、4名の男性お笑い芸人が女性陣に嫌われるよう振る舞う「八百長合コン対決」なる特集企画が、目に留まった。とりあえず、その彼らが演じていた「女性に嫌われる合コン術」とは、以下のとおりであった。
『マテンロウ』のアントニーは合コンが始まるやいなや、ワインをデキャンタでラッパ飲みすることでマイナスアピール。その後も下ネタや脱ぎキャラ(上半身のみ)……などで、女性から生理的な嫌悪感を積極的に引き出す。
『コロコロチキチキペッパーズ』のナダルは「女性を性の対象でしか見ていない」ほか、お得意の(?)ゲスアピールを随所に散りばめた発言を。
そして、意外にも女性陣からもっとも評価が低かった『ゾフィー』の上田は、コントで使う腹話術人形「ふくちゃん」とだけしか会話しないというアプローチで、合コンからの脱落に見事成功。
じつに秀逸なパフォーマンス、それにコンセプトだと感心した。どこらへんが「秀逸」だったのか、ゴメスの私見として2つほど、その理由を挙げてみよう。
まず一つは、こういったタイプ──つまり、
・ とにかく飲んで飲ませて場を盛り上げようとする男(=酒癖の悪い男)
・ すぐに脱ごうとする男
・ まだ場が暖まってもいない段階で性急に下ネタへと走る男
・ あきらかに、もしくはうっすらと上から目線の男(=マウンティング気質の男)
・ 根底に男尊女卑的な感性を持つ男
・ 参加女性とまったくしゃべれない男
……は、程度の差こそあれ、一度の合コンを開くたびに必ず一人は紛れ込んでいるという事実を、お笑い芸人ならではの表現力でデフォルメし、提起している点である。そこそこ勘のいい視聴者なら、これら一連の所作を観ながら「ああ…こーいうヤツっていたよね」「オレもこーいうとこ、チョットだけあるかも…」と、もやもやした既視感がよぎるはず……。「人の振り見て我が振り直す」といった古(いにしえ)の格言をあらためて肝に銘じ、女性ならばこの手のタイプの男にはなるべく近づかないように、男性ならば同じ轍を踏まないように、十分な注意を促したい。
もう一つは、これが「女性に好かれる合コン術」ではなく「女性に嫌われる合コン術」だという点にある。よく、ネット上に垂れ流されている「モテる合コン術」的なコラムには、
・ 身だしなみを清潔に
・ 共通の話題を探せ
・ 聞き役に回れ
・ レディーファーストに徹せよ
・ まんべんなく全員の異性と会話せよ
……みたいに毒にも薬にもならない“指南”の数々が、まるで「目からウロコの新発見!」のごとくだらだらと並べられているが、残念ながらこんなのは“実戦”だとほとんど役に立たない。
たとえば、歌舞伎役者の女形は「女性らしさを演じる」ために、「女性を真似る」のではなく「自身の男性らしさを消す」ことを常に心がけているという。それと同様、合コン……いや、すべてのマニュアルは「正しい」をなぞる加点法より、「間違っている」を消去する減点法のほうが、いっそうのリアリティを増していく……。合コンでの「嫌われる言動」をひとつひとつしっかりと潰していって、そこから炙り出された“残りカス”こそが、すなわち「好かれる言動」なのだ。