さかなクンのハコフグ帽は帽子ではない! 髪の毛であり皮膚である!!

コラム

 

魚類学者として東京海洋大学の客員教授も務めているタレントのさかなクン(44)が2月12日、参議院国際経済・外交に関する調査会に参考人として、トレードマークのハコフグ帽姿で出席したことが話題になっている。
 

なぜ「話題になっている」のかと言えば、国会の規則では、原則として帽子の着用は禁止されているから……に、ほかならない。

 

議場又は委員会議室に入る者は、帽子、外とう、襟巻、傘、つえの類を着用し又は携帯してはならない。ただし、国会議員及び国会議員以外の出席者にあつては議長に届け出て、これら以外の者にあつては議長の許可を得て、歩行補助のためつえを携帯することができる(参議院規制:第209条)

 
こうした決まり事を受け、さかなクン(サイド)は律儀に「通常の服装で出席してよいでしょうか」と参議院事務局まで、事前に問い合わせをしたという。すると「さかなクンの帽子は、国会規制でいう品位、礼節を欠いたものにならないと思う」と、各会派が満場一致でその“特例”を認めた……とのこと。そして、さかなクンは

 

「大変貴重なギョ(ご)機会を頂戴して、ありがとうギョざいます」

 

……と、いつものさかなクン節で挨拶を皮切りに意見陳述を。調査会終了後には、

 

「魚の世界と同じで、人の世界にも多様性がある。中でも私は特殊な部類。お認めいただいて本当にありがたい」

 

……と、笑顔で、あくまで魚類目線から人類を俯瞰する名コメントを残した……らしい。

 

そもそも、さかなクンがハコフグ帽を被るようになったのは2001年に放送された『どうぶつ奇想天外!』(TBS系)に出演して以来──じつに約20年というバリバリ年期入り。昨年9月に秋田市で開催された「全国豊かな海づくり大会」に出席した際には、同席された天皇・皇后両陛下から

 

「やはり今日も頭に(ハコフグ帽を)召していらっしゃるんですね」


 
……と、お声がけまでいただいた“お墨付き”のシロモノである。

 

かの1991年。社会党の長谷百合子衆院議員がトレードマークとしていたベレー帽を被ったまま国会議場に登院し、問題化。結局のところ、長谷議員はベレー帽を脱ぐことになってしまったと聞く。30年前とは時代が違う……という見方はあるのかもしれない。しかし、私に言わせれば「長谷議員のベレー帽」と「さかなクンのハコフグ帽」は似て非なるもの──前者が「単なるトレードマークでしかない」のに対し後者、つまり「さかなクンのハコフグ帽」は、もはや髪の毛であり、皮膚なのだ。これを「トレードマークの〜」などと薄っぺらい形容で表現するのは、さかなクンに失礼以外の何物でもなかろう。そこにNGを出すなら「さかなクン」の名前自体もアウト! 国会や両陛下の前では、本名の「宮澤正之」を強要するしかないのではないか。

 

もう7〜8年前の話になるが、一度さかなクンにインタビューをしたことがある。過去、数々の“大物”をインタビューしてきた私であるけれど、そんな私のなかでさかなクンは矢沢永吉・郷ひろみ・萩本欽一・横尾忠則・清水靖晃(サックス奏者)・ノムさん……に並ぶ、憧れのインタビューイであったのは間違いない。もちろん、初めてそのハコフグ帽をナマで拝見できたことにも感動したが、とにかく魚をはじめとする海の生物を語るときの、さかなクンのキラキラと輝く少年みたいな黒目がちの眼が、とても印象に残っている。おそらく幼少のころからずっと同じような内容を語り続けているはずなのに……。

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