新型コロナウイルスショックのさなか、あえて「批判」だけではなく「称賛」のニュースに触れたいのは私だけなのか?

コラム

 

新型コロナウイルス蔓延の勢いが止まらない。Yahoo!・Google……と、あらゆるポータルサイトのトップページを一番下までスクロールしても、ほとんどのニュースに「コロナ」の文字がおどっている。そしてもちろんのこと、これらのニュースはどれも読めば読むほど気分が落ち込んでしまうネガティブな内容が大半だったりする。

 

実状の見通しが決して明るくないのだから、そうなるのはしょうない……と言ってしまえばそれまでなんだが、そんななかでも、コロナネタでもかまわないので(いや、むしろコロナネタで)、なにかちょっとでも私たちの“励み”になる、ポジティブなニュースを目の当たりにしたい……と願うのは、はたして私だけであろうか?

 

たとえば、3月28日に『スポニチAnnex』が配信していた、とあるニュースに私はホンの一瞬でこそあれ、ホッコリした気分を味わうことができた。3月27日に放送された『ザワつく!金曜日 3時間SP』(テレビ朝日系)での、俳優・石原良純(58)による「日本は良い国だと思う」発言を紹介した記事──なぜ「日本は良い国」なのか? 石原の言いぶんは以下のとおり。

 

「公衆トイレにトイレットペーパーがあるもんね。(だから)日本人は、すごい!」

 

品薄状態が続いても、公共の場からトイレットペーパーが盗まれずに残っているような国は日本だけ……という理屈である。「へえ〜! そーなんだ…」と“日本の当たり前”しか知らない私としては、そのギャップに意外さをおぼえ、同時に“日本人の美徳観”を誇らしくも感じた。

 

いろいろと叩かれてはいるものの、私は総じて日本は政府も各自治体も、あと若者だって、おじ(い)さん・おば(あ)さんだって……皆けっこうがんばっているんじゃないか……と思う。

 

最近は、テレビをはじめとするメディアの報道やエンタメの在り方に批判が及んでいたりもするけれど、小池東京都知事が外出自粛の要請を行った直後の「週末の街の様子」とかは、やはり誰もが知りたい情報だったりするのではないか? 「出演者が近距離でひしめき合うニュース番組や脳天気なバラエティ番組を垂れ流す行為こそクラスターの一因になるのでは?」みたいな声もネット上では散見する。たしかにそれは一理ある。しかし、外出自粛で我々がテレビに依存する比率が高くなっていることも紛れもない事実であり、それに対する貢献度をないがしろにして一方的にダメ出しをするのはいかがなものなんだろう? ちまたの状況を敏感に察知して、未曾有の災厄を目の当たりに、さまざまな方策を公私共々に微調整していく“試用”の段階においては、批判するにしても、せめてまず「お疲れさまです」のひと言をかけてから……くらいの余裕がほしい……そう私は考える。

 

で、さまざまな事情と日夜向き合いつつ、各界で眼前にある“やるべきこと”を真っ当している皆さまを称え、「お疲れさまです」のひと言をかけてから、一つだけチクリ──3月30日の『めざましテレビ』(フジテレビ系)で、『イヴ・サンローラン・ボーテ』の日本初の旗艦店が表参道ヒルズで今日オープンすることを報じていた。でも、東京都内の不要不急の外出自粛要請が解除されていないなか、これを「待ち遠しかったですね」的に紹介するのは、さすがにいささかな矛盾が生じてしまうのでは? あともう一つ、周囲に「牛肉は苦手」な人たちがわりと多い私としては、「和牛券」もできればカンベンしてもらいたい。

 

ちなみに、この原稿を書いているたった今、志村けんさん(70)死去の訃報が届いた。心よりご冥福をお祈り致します。

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