新型コロナウイルスが席巻する今だからこそ改めて考えてみたい!「エイプリルフールって本当に必要なの?」

コラム

 

新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で深刻化しているなか、「今年のエイプリルフールはウソを自粛しよう」という主旨のメッセージが3月末、インターネットを中心とするさまざまなメディアを通じ、有名無名を問わないたくさんの人たちから発信された。

 

たとえば、作家の乙武洋匡さん(43)は、3月31日に自身のTwitterを更新。

 

 

……と呼びかけている。続いてエイプリルフール当日の4月1日夜、政府が緊急経済対策の一環として再利用が可能な布マスクを1住所当たり2枚ずつ配布すると表明したことを受け、

 

 

……と、皮肉を込めたツイートをもアップした。なのに、乙武さんのこうした切実な想いをつづった嘆願の檄も虚しく、言語圏が異なる韓国の男性アイドルユニット『JYJ』に所属するジェジュン(34)は4月1日、自身のSNSに「新型コロナウイルスに感染し、入院した」との嘘情報を投稿し、大炎上。

 

「エイプリルフールのジョークで、かなりやりすぎではあったけど、短時間で大勢の方が心配してくれた。他人事ではない」
 
「自分を守ることが大切な人を守るという話をしたかった」

 

……などと、訳のわからない釈明に追われている。

 

ウィキペディアによると、エイプリルフールの起源はまったく不明であるらしく、

 

その昔、ヨーロッパでは3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していたが、1564年にフランスのシャルル9世が1月1日を新年とする暦を採用。これに反発した人々が、4月1日を「嘘の新年」とし、馬鹿騒ぎをはじめた。

 

インドでの悟りの修行は、春分から3月末まで行われていたが、すぐに迷いが生じることから、4月1日を「揶揄節」と呼んでからかったことによる。

 

……ほか、いずれも仮説の域を出ていないという。

 

そんなあやふやなルーツからしか成立していない、もはや「脆弱な中世の遺物」でしかないエイプリルフールなんて、そもそもこの21世紀の現在社会において、本当に必要なのだろうか?

 

各企業があきらかに嘘とジャッジできる偽情報を流し、自社や自商品のプロモーションを計るケースはまだ可愛げがある。でも、Googleが定番とするエイプリルフールのデマはネットリテラシーが低い私とかは、その真贋を見分けるのが困難なほど巧妙だし、数年前のエイプリルフールでは「楽天パンダ引退」の嘘に、楽天パンダをこよなく愛する私はけっこう真剣に翻弄されたりもした。

 

あれは10年ほど前──やはりエイプリルフール当日の夜。とある男友だちから電話がかかってきて、「今、ゴメスさんのことが好きだって女子と飲んでるんだけど来ない?」と誘われ、〆切りもぶっちぎってその指定されたバーへとほいほい足を運んだことがある。ところが、そのバーにいたのは電話をかけてきた本人と、他の男友だち数人しかいない。「あれ? 女の子は?」と問いかけてみると、店主の女性(既婚者)がカウンター越しに「アタシよ、ゴメスさんのこと好きなのは…」と切り出し、周囲は大爆笑。思わず私は「これじゃあボッタクリバーと一緒じゃないか!」と激高。終始不機嫌だったせいか、場の雰囲気も徐々に悪くなってきて、けっきょく私のドリンク代は無料にしてくださった。

 

……ってなわけで、エイプリルフールに対する個人的恨みが、いまだ私の心の中ではくすぶり続けているのだ。もう一度、問おう。エイプリルフールって、本当に必要ですか?

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