「車で帰宅中、ロケに遭遇して足止めをくらった…」松本人志・東野幸治のクラクション鳴らしは "やな感じ" な振る舞いなのか?

コラム

 

8月23日に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、ダウンタウンの松本人志(56)と、同番組のMCを務める東野幸治(53)が、過去に自身が出演しないテレビ収録の現場に遭遇したエピソードについて語る一幕があった。

 

まず、東野はクルマで帰宅中、ロケに出くわし、急に通行を止められてしまう。「なんですか?」と問いかけたら、「本番中なんです。ドラマの」と番組スタッフが撮影が終わるまでの停車を求めてきたという。しかし、東野は「俺、関係ないしと思って。嫌がらせ代わりにクラクション鳴らしてやりました」と明かした。

 

すると、松本も「俺もやってまうねん。若いころ『こっちはバラエティじゃい! 知るか!!』って」と同調。この日の共演者だった『EXIT』のりんたろー。(34)に「ダメですよ〜吉本のイメージ悪くなりますから」と、なだめられていた。

 

さて。これら一連の松本と東野による“嫌がらせ”を「心が狭い」「性格が悪い」「ギスギスしすぎ」……などと見なす声も、少なからずはあるだろう。私だって、どちらかと言えば“コッチ側”、すなわちマスコミサイドからお仕事をいただいている人間なので、このようなロケ撮影のいろいろな労苦、大変さはそれなりに理解できているつもりだ。

 

しかし、すべてが……とまでは断定しないけど、テレビのヒトたちが街中でロケを敢行する際の、我々“一般人”に対する態度は、往々にして横柄なのも悲しいかな、また事実だったりする。

 

もう10年近くも前だが、某都内公園内にある野球場で、草野球の試合があったときの話。ウォーミングアップのキャッチボールをしていたら、ベンチ内にTシャツとジーンズ姿で腰にウエストポーチをつけた見知らぬ男が入って来て、チームメイトの一人となにやら談判をしている。様子を伺いに行ってみると、そのウエストポーチの男は、とあるドラマ番組のADであるらしく、我々にこう“お願い”してきた。

 

「これから、この球場の前でドラマの撮影があるんで、なるべく静かにプレイしてもらえませんでしょうか」

 

そんなこと言われても……審判さんが「ストライクorボール」ほかのさまざまなジャッジをするのに無言でジェスチャーオンリーってわけにもいかないし、「ボールファースト!」だとか、そういった指示も大声で出さなければ、プレイ中に支障が出る。そもそも、チームメイトがタイムリーヒットやホームランを打ったりした場合に、歓声も拍手も控えるなんてえのは草野球の醍醐味も半減である。

 

……みたいなことをやんわりと伝えたら、そのウエストポーチの男は、

 

「ドラマの撮影なんで…」

 

……の一点張り。途中から上司っぽいディレクターも参入してきて、一応かたちだけは“お願い”の体(てい)を成しているものの、その口調からは「ドラマの撮影なんだからそのくらい我慢しろよ」的な高飛車な姿勢が、露骨に透けて見える。

 

猛烈に腹が立った。そして、もうすぐ試合開始の時間だったので、

 

「とりあえず、頭には入れておきますけど、ちゃんと(静かに)できるかは保証できません」

 

……と、捨て台詞を残して、我々はホームベース前に整列しに行って、いつもよりも大きな声を張り上げながらプレイに興じた。その後、撮影隊はどこかへと消えていった……。

 

これって、やっぱり私(ら)の「心が狭い」のか? 我々だって、それなりに忙しいなかから時間を捻り出して、それなりのお金も費やし、貴重な“2時間”を楽しもうとしているのだ。どうしても球場前でロケがしたいならタイムスケジュールに合わせ、球場をテレビ側がキープして無人化するのがスジではないのか。さらに、背景として「静かな草野球シーン」を入れたいなら、18人のサクラを雇うべきではないのか。

 

あと、無茶な“お願い”するなら、それなりの頼み方があるだろ。せめて、もうちょっとは謙虚であってほしい。

 

「いきなりで恐縮なんですが、今からドラマの撮影があるので、もし可能ならば、試合中のお声がけを心もち控えめにはしていただけませんでしょうか?」

 

……と、きっちり頭を下げてくだされば、私らだって、また違った“真摯な対応”を、いささかならできていた……かもしれないのに、ね。 間違ってます!? 僕(ら)?

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