『有吉の壁』を見ると「大晦日恒例のアノ番組」を思い出す…その理由を分析してみた

コラム

 

のっけから月並みな報告で恐縮ではあるけれど、『有吉の壁』(日本テレビ系)が面白くてたまらない。

 

MCの有吉弘行(46)(と視聴者)を笑わせるために芸人たちが全力でネタを披露するというシンプルかつ王道な構成であるが、毎週必ず『麒麟がくる』とともに予約録画をしている。

 

放送開始は2015年と、意外に古くからある番組で、当初は平日の深夜1時間枠だったのが、翌年には土日や年末年始深夜のスペシャル枠的扱いとなり、2020年の4月からは晴れて毎週水曜日のゴールデンタイムでレギュラー化された。

 


『ORICON NEWS』が、同番組を分析する「ハブ化する『有吉の壁』 ブレイクスルーへと導く純度100%の“お笑い番組”の重要性」なるタイトルの記事を配信していた。それによると『有吉の壁』は、かつて自身が“どん底”だった状態を救済してくれた「内P」こと『内村プロデュース』(テレビ朝日系)を彷彿させるものがあるという。ひな壇向きじゃないコント職人タイプの芸人らをも多く集め、純粋にネタだけで勝負できるチャンスの場を与えて、そんな彼ら彼女らに別の角度からスポットを照らしているからだ。

 
なるほど。そういう見方もあるのか……と、とても納得がいった。しかし、私が『有吉の壁』を観ていていつもダブってしまうのは、大晦日恒例のアノ番組──そう。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで 大晦日年越しSP!!』(日本テレビ系)だったりする。(※ちなみに、今年は新型コロナショックの影響で放送されるかどうか心配だったけど、どうやら万全の感染予防体制を敷いたうえで収録は行われているとの噂。安心しました!)

 


お笑い芸人の枠にとどまらないバラエティに富んだ“笑いの刺客たち”が方々に散らばって、松本人志・浜田雅功・ココリコ遠藤&田中・月亭方正の5人をどうにか笑わせようと、次々と襲いかかってくる……といったコンセプトは、まさに(大雑把に捉えたら)『有吉の壁』そのもの(※もちろん、先に世に出たのは『ガキ使』のほうなんだが…)。ただ、「笑ってはいけない」という“縛り”があるかないか、そこだけが決定的に違っている。そして「笑ってもかまわない」がゆえ、『有吉の壁』には『ガキ使』にはない程良い弛緩ぶりと、和気藹々とした連帯感が常にただよっており、コッチ側からしても肩の力を抜いて気張らずに鑑賞することができる。(※念のため。いっぽうの独特な緊張感を売りとする『ガキ使』がダメとこき下ろしているわけでは決してない。お互いの番組の性質的に異なった部分を言及しているだけである)

 
なんと言っても、“笑わせられる側”にいる有吉とアシスタント役の佐藤栞里(30)が、相当に笑いの沸点が低い“ゲラ”なのが、すごくいい。よくよく観察していると、本当のところはけっこうな高確率でスベっている幾多もの芸人らの“ミステイク”を、二人の爆笑はご破算にしてくれる。有吉の「×」を出すタイミングも、じつにタイトで完ペキ。その“やさしさ”が、番組にじんわりとした暖かみをもたらしており、そのほっこり感が先行きの見えないウィズコロナ時代に、偶然かつ絶妙にマッチしているのかもしれない。

 


あと、もう一つ。ロケの舞台となっているさまざまな施設もコロナで客足が鈍っているだろうから、宣伝効果も含め、番組側と良好なウィンウィンの関係を築けているのではなかろうか。たまーにマスク着用で“友情出演”している素人さんたち(=施設のスタッフ)も、どことなく楽しそうに“演技”してるし……。

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